『スーパーマン&ロイス』シーズン1(7)「鋼鉄の男」(NHK総合)😉

Superman&Lois: #7 Man of Steel
42分 2021年 アメリカ=ワーナー・ブラザース・テレビジョン
NHK総合:初放送2022年5月15日23:00〜

原題は本家〈DCエクステンディッド・ユニバース〉シリーズ第1弾、凶暴にキャラ変したスーパーマン(ヘンリー・カヴィル)が初登場した『マン・オブ・スティール』(2013年)と一緒。
そのオマージュでもある本シリーズ第7話では、スーパーマン(タイラー・ヘックリン)の悪役としての一面が描かれるとともに、もうひとりの「鋼鉄の男」キャプテン・ルーサー/ジョン・ヘンリー・アイアンズ(ウォレ・パークス)の正体が明らかとなる。

視聴者の好みと興味が分かれるのは、このエピソードからマルチバース(平行宇宙・多元宇宙理論)の概念が突如として前面に打ち出されてくることだろう(これまでにも少しずつ匂わされてはきたが)。
マルチバースとは、われわれが存在する現実の世界(宇宙)以外にも、可能性としてあらゆる世界(宇宙)が無数に存在し得るとする理論物理学の一説である。

ルーサーがいた別世界で、彼はロイス・レイン(エリザベス・トゥロック)と結婚し、幸せな生活を送っていた。
しかし、ある日スーパーマンが群れをなしてやってきて、ルーサーの暮らす大都会を壊滅させ、被災地からリポートするレインをヒートビジョンで殺していたのである。

そこでルーサーは復讐のためにスーパーマンとレインが結婚したこの世界へやってきたわけだが、はっきり言って、この設定は日本人の視聴者にとってはいささか無理矢理だろう。
スーパーマンを殺したいのなら自分がもともといた世界でやるべきであり、どうやってマルチバースを超えてきたのかもわからず、そもそもスーパーマンとレインがマルチバースの存在を規定の事実として語っているのも不自然、というか、ご都合主義に感じられました。

それでも、スーパーマンがルーサーとの対決であわやのピンチに陥ったところへ、ふたりの息子ジョナサン(ジョーダン・エルサス)、ジョーダン(アレックス・ガーフィン)が駆けつけるクライマックスは大きな見せ場。
これなら次回も楽しみだ、と思わせるのが、さすがハリウッドのテレビドラマですね。

オススメ度B。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2022リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑
※再見、及び旧サイトからの再録

45『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2020年/米)A
44『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』(2018年/米)B
43『クワイエット・プレイス』(2018年/米)A
42『TOKYO VICE』#4虎穴虎子(2022年/WOWOW、HBO Max)B
41『TOKYO VICE』#3精神一到(2022年/WOWOW、HBO Max)C
40『ドニー・ダーコ』(2001年/米)B
39『スーパーマン&ロイス』シーズン1(6)「パワーの代償」(2021年/米)B
38『スーパーマン&ロイス』シーズン1(5)「スモールビルの良心」(2021年/米)B
37『TOKYO VICE』#2起死回生(2022年/WOWOW、HBO Max)B
36『TOKYO VICE』#1新聞記者(2022年/WOWOW、HBO Max)B
35『ふたりのウルトラマン』(2022年/NHK)A
34『スーパーマン&ロイス』シーズン1(4)「波乱の幕開け」(2021年/米)B
33『スーパーマン&ロイス』シーズン1(3)「人気者であることの特権」(2021年/米)B
32『カムバック・トゥ・ハリウッド‼︎』(2020年/米)B
31『すばらしき世界』(2021年/ワーナー・ブラザース)A
30『私は確信する』(2018年/仏、白)C
29『透明人間』(2020年/米)A
28『アナザーラウンド』(2020年/丁、蘭、瑞)A
27『スーパーマン&ロイス』シーズン1(2)「引き継いだもの」(2021年/米)A
26『スーパーマン&ロイス』シーズン1(1)「パワーの目覚め」(2021年/米)A
25『日本女侠伝 侠客芸者』(1969年/東映)A
24『昭和残俠伝 血染の唐獅子』(1967年/東映)B
23『大コメ騒動』(2021年/ラビットハウス)C
22『王の願い ハングルの始まり』(2019年/韓)A
21『フラッシュ・ゴードン』(1980年/米)B
20『タイムマシン』(2002年/米)C
19『アンダーウォーター』(2020年/米)C
18『グリーンランド−地球最後の2日間−』(2020年/米)B
17『潔白』(2020年/韓)B
16『ズーム/見えない参加者』(2020年/英)C
15『アオラレ』(2020年/米)B
14『21ブリッジ』(2019年/米)B
13『ムニュランガボ』(2007年/盧、米)C
12『ミナリ』(2020年/米)A
11『バイプレイヤーズ もしも100人の名脇役が映画を作ったら』(2021年/東宝映像事業部)C
10『死霊の罠』(1988年/ジョイパックフィルム)C
9『劇場版 奥様は、取扱注意』(2021年/東宝)C
8『VHSテープを巻き戻せ!』(2013年/米)A
7『キャノンフィルムズ爆走風雲録』(2014年/以)B
6『ある人質 生還までの398日』(2019年/丁、瑞、諾)A
5『1917 命をかけた伝令』(2020年/英、米)A
4『最後の決闘裁判』(2021年/英、米)B
3『そして誰もいなくなった』(2015年/英)A
2『食われる家族』(2020年/韓)C
1『藁にもすがる獣たち』(2020年/韓)B


スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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