『シン・ウルトラマン』😊

113分 2022年 東宝
@T・ジョイPRINCE品川 スクリーン11(IMAX2D) 13:40〜

面白いことは面白いんだけど、『シン・ゴジラ』(2016年)ほどメチャクチャ興奮はしなかった、という人は少なくないんじゃないだろうか。
これは監修・脚本を手がけた庵野秀明による現代の物語としての翻案にこちらが慣れてしまい、それほど新鮮な衝撃を感じられなくなっているからでもあるんですが。

『シン・ゴジラ』の場合は、かつて着ぐるみだったゴジラが、大胆にデザインを変えたCGで表現されたことによってスケールアップ。
あのヴィジュアルが昭和ゴジラ・シリーズを盛り上げた伊福部昭の音楽とも見事にシンクロし、映画として成功した最大の要因になったと、個人的には思う。

そして、これはネタバレにならないだろうという前提の元に書くんだけれど、本作の場合は、ゴジラと同じように着ぐるみからCGに変わったウルトラマンに、60歳手前の僕などは如何ともし難いイマイチ感を覚えたのです。
ウルトラマンはゴジラほどヴィジュアルを変えるわけにはいかなかった制約もあったのか、子供の頃にオンタイムでオリジナル版を観ているファンはどうしても記憶の中のウルトラマンと比較してしまい、大なり小なり「ちょっと違うんだよなあ」と感じたはず。

VFXを担当した白組によるウルトラマンのヴィジュアルは非常に美しいけれど、美し過ぎて肉感に乏しい。
テレビドラマ版で目の下にあったスーツアクター(古谷敏)用の覗き穴がなければ、背中がツルツルで、そこにあるべきはずのファスナー(コアなファンは背ビレと言うそうです)もないしね。

ただし、繰り返しますが、面白いことは面白い。
とくに、テレビドラマ版『ウルトラQ』(1965年)や『ウルトラマン』(1966年)の素材を生かした導入部から、ネロンガやガボラなど、懐かしい怪獣が暴れ回り、ウルトラマンが次から次へとやっつける前半は、昭和世代にとっては感動ものです。

このエンディングなら続編もありそう。
劇場公開されたら、やっぱり観に行くだろうな。

採点は80点です。

2022劇場公開映画鑑賞リスト
※50点=落胆😞 60点=退屈🥱 70点=納得☺️ 80点=満足😊 90点=興奮🤩(お勧めポイント+5点)

4『英雄の証明』(2021年/伊、仏)80点
3『THE BATMAN−ザ・バットマン−』(2022年/米)80点
2『ドライブ・マイ・カー』(2021年/ビターズ・エンド)90点
1『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021年/米)90点

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
先頭に戻る