中日キャンプ2日目、根尾昂と石川昂弥に注目すると⚾️

4番・石川昂弥の第1打席

きのうと同様、時折雨がパラつくどんよりした空模様の下、きょうも中日がキャンプを行っているAgreスタジアム北谷(北谷公園野球場)へ。
目当ては何と言っても、午後1時から始まるDeNAとの練習試合。

球場に到着してスタメンを見た途端、年甲斐もなく胸ときめくものを感じました。
4番サード・石川昂弥、9番ライト・根尾昂と、中学、高校のころから取材しているふたりがそろい踏みしているのだから。

さらに驚いたのは、ほっそりしていた中3から見ている石川昂の身体が、中日入団時からさらに一回り大きくなって、見るからに逞しくなっていること。
名鑑上の公称は93㎏でも、実際はすでに100㎏を超えているらしい。

石川昂が高校生だったころまではヒットやホームランをたくさん見てきたけど、プロ入りしてからは3年目の今年まで1本も生で見たことがない。
だからきょうこそは、と思っていたんですが、結果はDeNA・大貫晋一に中飛、マイケル・ピープルズに背中を擦る死球、三上朋也に見逃し三振。

石川昂は昨秋のキャンプでタイミングの取り方を変え、最初は練習で打撃の内容がよくなったものの、次第に強い打球が飛ばなくなり、最近になってまたフォームを元に戻したそうです。
そういう試行錯誤を繰り返している最中、DeNAの一軍クラスを打ち返すのはちょっと難しかったのかもしれません。

一方、根尾は三回の第1打席、大貫からどん詰まりながらもセンター前へ落とすポテンヒット。
京田陽太の右前安打で三塁まで進み、阿部寿樹の三ゴロの間に本塁へ滑り込んだときは、スタンドのファンから拍手が巻き起こって、結果的にこれが決勝点となった。

ちなみに、2-1と中日1点リードの九回には、きのうブルペンで力強いピッチングを見せていた山本拓実が抑えで登板。
2打者連続見逃し三振に中飛と、申し分のない火消しぶりでした。

森野打撃コーチの指導に耳を傾ける石川昂、根尾、ブライトら

試合後、若手野手陣は室内練習場に移動し、森野将彦打撃コーチを囲んでミーティング。
その後、それぞれの課題に取り組むべく、打撃練習に汗を流していました。

石川昂のティー打撃
森野コーチの指導に聞き入る根尾

こういう地道な練習、日々の積み重ねから、次代を担う大打者や好打者が生まれる。
選手時代の森野も、最近ではヤクルト・村上宗隆やカープ・鈴木誠也も、もっと言えば彼らを育てた石井琢朗・現DeNA野手総合コーチの現役時代もそうだった。

根尾も石川昂も、きょうの練習試合ではまだ、これという結果を残せなかった。
しかし、その直後、彼らが何をやっていたか、ファンも直に見ることのできる貴重な機会が、このキャンプなのです。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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