【きょう5日発売】東京スポーツ『赤ペン!!』371

きょう掲載の『赤ペン‼︎』では、昨年11月12日、85歳で亡くなった元広島カープ監督・古葉竹識さんを改めて偲んでおります。
1975年の初優勝をはじめリーグ優勝4度、日本一3度。99年に野球殿堂入りを果たした名将でした。

そうした数々の戦績もさりながら、古葉さんが他の監督と一線を画していたのは、単なる指揮官としてではなく、経営者としてチームを動かし、選手たちへの配慮を怠らなかったところにある。
今と違って旧広島市民球場のスタンドに閑古鳥が鳴いていた時代、古葉さんは報道陣の前で入場者数と興行収入を推算し、「きょうは1万人ちょっとかな、もっとお客さんを呼ばないとな」などともらすことがよくあったという。

大差をつけられた敗色濃厚な試合では、後半になると控えの若手を積極的に起用した。
古葉さんはその際、選手ひとりひとりに「おまえ、給料なんぼだ?」と聞いている。

年俸が一軍最低保証額に満たない選手を試合に出すと、差額が日割りで支給される。
現在は登録されればベンチにいても差額がもらえるが、80年代は試合に出場しないと一銭にもならなかった。

だから、古葉さんは若手に逐一給料を聞き、安い順に使っていたわけだ。
そうした細かい気配りをする半面、日頃の指導は常に熱く厳しく、その姿勢は東京国際大学で采配を振るった晩年まで、終生変わることはなかった。

この続きはきょうの東スポ、大スポ、中京スポ、明日朝の九スポ(掲載日は変更あり)で御一読ください!

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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