『藁にもすがる獣たち』(WOWOW)😉

지푸라기라도 잡고 싶은 짐승들/Beasts Clawing at Straws
109分 2020年 韓国 日本配給:クロックワークス

オープニングでルイ・ヴィトンのバッグがクローズアップされ、ホテルのロビーを通り抜け、大浴場の脱衣所に入ると、バッグを抱えた何者かがロッカーに突っ込む。
その後、このホテルでアルバイトをしているジュンマン(ペ・ソンウ)が清掃作業の最中にこのバッグを見つけ、チャックを開くと、10億ウォンの札束が詰まっていた。

ジュンマンは認知症を患った母親スンジャ(ユン・ヨジョン)を抱え、下の世話までしている共働きの女房ヨンソン(チン・ギョン)に頭が上がらない。
ソウルの中学校に通わせている娘の学費の工面もままならず、折り合いの悪かったホテルの支配人にクビを通告され、大金の詰まったバッグを私物と偽って持ち帰ってしまう。

出入国管理局で働く公務員テヨン(チョン・ウソン)は、ドロンした恋人がつくった借金の保証人になっていたため、早く返済しろと金貸しのドゥマン(チョン・マンシク)に脅されていた。
そのテヨンがいい金づるになりそうだと近寄ってくるのが悪徳刑事ミョング(ヨン・ジェムン)。

キャバ嬢のミラン(シン・ヒョンビン)は夫のDVに耐えかね、中国人不法滞在者の常連客ジンテ(チョン・ガラム)をそそのかし、保険金目当てに殺してほしいと持ちかける。
ところが、アホなジンテは別の人間を轢き殺してしまい、ミランが慌てふためいているところへ、成り行きを見守っていたキャバクラの社長ヨンヒ(チョン・ドヨン)が救いの手を差し伸べる。

ところが、ヨンヒはドゥマンと通じており、ミランを利用して大金をせしめようとしているらしい。
そんなこんなで金をめぐる人間関係が錯綜している最中、最初に10億ウォンをせしめたジュンマンが忘れたころになって再登場し、映画は大団円(とは言わないか、このホンワカした映画の場合)に向かう。

原作は曽根圭介の同名小説だが、僕は読んでいないので、どの程度映画的に翻案されているのかはわからない。
しかし、登場人物が多く、複雑なストーリーをほとんど混乱も停滞もさせることなく、コメディータッチを交え、幕切れにきてしっかり落としている監督・脚本キム・ヨンフン手際はお見事の一語。

オススメ度B。

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※再見、及び旧サイトからの再録

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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