石田健大の踏ん張りが見たかった⚾️

試合前にスタンドを盛り上げたダチョウ倶楽部のパフォーマンス

今回、横浜スタジアムでのDeNA-ヤクルト3連戦では、〈DB(DeNAベイスターズ)海賊団DAY 2021〉というイベントの演出が行われた。
最終日となったきょうはダチョウ倶楽部が試合前にパフォーマンスを披露し、ヤクルトのオスナを巻き込んだり、DeNAの打者・森、捕手・山本を相手にセレモニアルピッチを行ったりして、大いにスタンドを盛り上げた。

しかし、このイベントの最中、DeNAは前日までヤクルトに2連敗して、早くもこのカードの今季負け越しが決定。
最後の3戦目で何とか一矢報いるべく、先発のマウンドに上がったのが7年目・28歳の石田健大である。

石田は三回、最近好調のヤクルト塩見を空振り三振

僕は別に石田と親しいわけではないのだが、広島で生まれ育ち、法政大に進んだ彼は郷里と大学の後輩に当たるので、心情的に応援したくなるのだ。
しかも、昨季は開幕から中継ぎに回っていた関係で、先発登板は2019年9月16日以来2年ぶり、ヤクルト戦は2018年5月25日以来3年4カ月ぶりだったから尚更だ。

もちろん、石田本人としても胸中に期するものがあったはず。
一軍に合流した一昨日はひとりでハマスタのマウンドに上がって感触を確かめ、昨日の囲み取材では久しぶりの先発登板にかける思いを率直に吐露している。

「先発という形では、長く(空いた)期間がありましたけど、きれいなマウンドに立てる喜び、特別な気持ちがあります。
先発投手が試合を作れば(チームも)良い試合を続けられますから、攻撃に良いリズムを持っていけるピッチングをしたいです」

しかし、満を持して先発のマウンドに上がったこの日は4回5安打3失点で、責任投球回数の5回まで届かず。
石田の後を受けたブルペン陣のピープルズ、田中健も懸命にバトンをつないだが、4番手の砂田が山田に事実上のダメ押しとなった4点目のソロ本塁打を被弾。

DeNA打線は粘り強くヤクルトのサイスニードを攻め立てたが、七、九回に牧のタイムリーで2点を返すのがやっと。
石田は試合途中、広報を通じて「攻撃にいいリズムを持ってくることができませんでした」とコメントし、自分よりチームに勝ちをつけられなかったことを悔やんだ。

三浦監督はテレビインタビューで「(石田は)立ち上がりは良かったんですが、(ヤクルト打線の)2巡目以降、変化球でカウントが取れなくて狙い撃ちされた」とコメント。

ベイスターズの人たちはみんな真面目で、必死で、懸命にファンの期待に応えようとしている。
それだけに、結果がついてこないことがもどかしくてならない3日間だった。

試合終了
スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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