【きょう6日発売!】東京スポーツ『赤ペン!!』343

これまでに様々なバッターの2000安打を取材してきたけれど、9月4日の楽天戦で西武・栗山巧が打った2000本目のヒットには一際感慨深いものがあった。
彼は『プロ野球二軍監督 男たちの誇り』(2011年/講談社)、『2番打者論』(2012年/PHP研究所)と拙著に2冊続けて協力してくれた選手だからである。

とくに『2番打者論』のほうは、栗山本人が「僕はいずれクリーンアップを打つ打者になりたいと思っているので」と、当初は固辞されたところを、無理を言ってインタビューに応じてもらった。
その結果、拙著は大変好評を博し、ついでに書いておくと、『2番打者論』は『二軍監督』に続き、2冊連続で重版となった。

栗山の2000安打は、1年目の2002年から5年目まで続いた二軍暮らしを抜きに語ることはできない。
栗山はかつて、西武ならではのファームの環境についてこう語っていたものだ。

「ウチは二軍の球場や寮のすぐ隣に一軍の本拠地があるでしょう。
そこでナイターをやってると、寮の部屋まで聞こえるんですよ、お客さんの歓声とか応援団の鳴り物が」

手を伸ばせば届きそうなところに、自分がいる二軍とは完全な別世界がある。
しかもそこでは、ドラフト同期で同い年の中村剛也が一足先に活躍していた。この危機感が栗山の原動力になった。

二軍では、打てないと人一倍悔しさをむき出しにした。
凡退してベンチに帰ってくると、バットをたたきつけたり、ゴミ箱を蹴っ飛ばしたり。

当時から、そんな栗山を陰でじっと見守り、時には打撃投手を買って出てくれた人物がいた。
この続きはきょうの東スポ、大スポ、中京スポ、明日朝の九スポ(掲載日は変更あり)で御一読ください。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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