東京ドームで感じたコロナ禍とオリンピック余波💉⚾️

ワクチンの接種時間を示す電光掲示板の表示

東京ドームがきのう16日から11月半ばまで、新宿区、文京区、港区の新型コロナウイルスのワクチン集団接種会場として使用されることになった。
きょうのようにプロ野球のナイターが行われる日は午後2時までの時間限定で、タイミングが合えば主催球団の練習を見ることもできる。

接種会場はグラウンドではなく、売店が並ぶ2階のコンコース。
午後2時前に東京ドームに入り、いつものように2階のコンコースを通って三塁側ネット裏の記者席に行こうとしたら、指定された場所から観客席を通って行くように、という案内板が出ていた。

これまでは感染防止のため、観客席を抜けずコンコースから記者席に入るようにと指示されていたのに、180℃の変わりようである。
ワクチン接種が行われない日はもちろん従来通りに戻されるのだろうから、次回はうっかり間違えないようにしなきゃいけない。

ワクチン接種が終わるとこんな表示が

午後2時でワクチン接種が終わったあとは、DeNA主催の阪神戦。
DeNAの本拠地・横浜スタジアムは東京オリンピックで野球の試合会場になったため、五輪仕様となった施設が元通りにされるまでは、まだこのように他球団のホーム球場に間借りせざるを得ないのである。

復旧が完了したあとも社会人野球やイベントが入っており、ベイスターズがハマスタで試合を行えるのは今月31日からの広島戦になる予定。
これだけ通常のシーズンと様変わりしたのはコロナとオリンピックのダブルパンチのおかげ、などと書いたら怒られるか。

変わったと言えば、DeNAの試合前の取材スタイルもマイナーチェンジが図られた。
前半戦まではリモートで行われていた三浦監督の囲み取材が、人数を限定した代表取材へ変更。

一般紙、スポーツ紙、テレビ・ラジオなど、メディアごとに代表者が参加するシステムで、広島、ヤクルト、楽天などは以前からこのスタイルを採用している。
メディア所属の担当記者ではない僕の場合、こういう代表取材に参加するのは難しいのだが、DeNAでは音声をLINEでシェアしてもらえるので情報に不自由はしない。

長年の記者稼業で身に染みついた体質で、現場にいると、どうしても取材優先で感染対策を後回しにしがちになる。
オリンピック取材にフルで参加していた記者によると、例えば競泳では代表取材に参加できる人数が厳しく制限されていた半面、MPC(メインプレスセンター)ではマスクをはずしたまま大声で会話をしている記者がいたりして、内心ヒヤヒヤしていたという。

メディア関係者には定期的なPCR検査が義務づけられていたものの、この結果も絶対ではない。
首都圏在住であっても、家族への感染リスクを考慮し、大会期間中は3週間以上ホテルにカン詰めになっていた記者もいる。

六回、2打席連続本塁打を放った佐藤輝

さて、今夜の試合、最大の見せ場は阪神・佐藤輝の2打席連続ホームラン。
右翼スタンド下段へ運んだ第1打席の21号は佐藤輝にしてはごく普通の当たりに見えたが、センター中断へ突き刺した第2打席の22号はすごかった。

振りといい、打球音といい、まさに目の覚めるような当たり。
キャンプのころから見ているけど、もうこの選手がルーキーとはとても思えません。

一方、DeNAでは三浦監督が「試合に出します」と明言していた2年目・19歳の森敬斗が2番・ショートでスタメン出場し、3安打と期待に応える活躍を披露。
しかし、四回に出た1本目のヒットは同点タイムリーに結びついたものの、その後にチャンスメークした五回の2本目、七回の3本目はいずれも宮﨑がブレーキとなり、逆転までには至らず。

試合は結局、2本塁打を含む3安打3打点の大活躍を見せた佐藤輝のおかげで、6-2と阪神が快勝。
ヒーローインタビューに登場した本人は、「(2本目の本塁打が)逆方向に打てたのは状態がいいということです」と現在の状態を分析し、「良いと思うところもあれば、まだまだだと感じる部分もあります」とクールに語っていました。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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