『わが母なるロージー』ピエール・ルメートル😁

Les Grands Moyens/Rosy & John 
220ページ 文藝春秋(文春文庫) 翻訳:橘明美 第1刷:2019年9月10日 定価700円=税別
原書発行:2013年

世界的ベストセラーとなったピエール・ルメートルの3部作『悲しみのイレーヌ』(2006年)、『その女アレックス』(2011年)、『傷だらけのカミーユ』(2012年)の主人公カミーユ・ヴェルーヴェン警部が1作だけ復活を果たした番外編。
ただし、最初にフランスで”Les Grands Moyens”のタイトルで発表されたのは『アレックス』の翌年の2012年で、最終作となった『カミーユ』の前だったから、番外編というより間奏曲と言ったほうが正しいかもしれない。

カフェや商店の立ち並ぶパリの一角で爆破事件が起こる。
パリ市警が大掛かりな捜査に乗り出し、市民が騒然とする中、ジョンというひとりの青年が出頭し、爆弾を仕掛けたのは自分だ、と証言。

爆弾は第1次世界大戦でパリに降り注いだ不発弾を再利用したもので、さらにパリ市内で6個の爆弾を爆発させる用意がある、爆発させたくなければ金と逃亡用の飛行機を用意しろ、とジョンは言う。
この爆弾魔の説得に駆り出されるのが、身の丈145センチの〝怒れる警部〟カミーユである。

ミステリーだから例によってこれ以上詳しく書くわけにはいかないのだが、爆弾のありかをめぐって警察が右往左往させられれている最中、カミーユがジョンの心の闇に迫っていく過程が最大の読みどころ。
『イレーヌ』や『アレックス』のような大長編ではなく、どんでん返しやオチも前2部作ほど強烈ではないが、カミーユ・ファンには納得のいく出来栄えと言っていいだろう。

😁

2021読書目録
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19『監禁面接』ピエール・ルメートル著、橘明美訳(2018年/文藝春秋)😁
18『バグダードのフランケンシュタイン』アフマド・サアダーウィー著、柳谷あゆみ訳(2020年/集英社)😁😳🤓🤔
17『悔いなきわが映画人生』岡田茂(2001年/財界研究所)🤔😞
16『映画界のドン 岡田茂の活動屋人生』文化通信社編著(2012年/ヤマハミュージックメディア)😁😳🤓🤔
15『波乱万丈の映画人生 岡田茂自伝』岡田茂(2004年/角川書店)😁😳🤓
14『戦前昭和の猟奇事件』小池新(2021年/文藝春秋)😁😳😱🤔🤓
13『喰うか喰われるか 私の山口組体験』溝口敦(2021年/講談社)😁😳😱🤔🤓
12『野球王タイ・カップ自伝』タイ・カップ、アル・スタンプ著、内村祐之訳(1971年/ベースボール・マガジン社)😁😳🤣🤔🤓
11『ラッパと呼ばれた男 映画プロデューサー永田雅一』鈴木晰也(1990年/キネマ旬報社)※😁😳🤓
10『一業一人伝 永田雅一』田中純一郎(1962年/時事通信社)😁😳🤓
9『無名の開幕投手 高橋ユニオンズエース・滝良彦の軌跡』佐藤啓(2020年/桜山社)😁🤓
8『臨場』横山秀夫(2007年/光文社)😁😢
7『第三の時効』横山秀夫(2003年/集英社)😁😳
6『顔 FACE』横山秀夫(2002年/徳間書店)😁😢
5『陰の季節』横山秀夫(1998年/文藝春秋)😁😢🤓
4『飼う人』柳美里(2021年/文藝春秋)😁😭🤔🤓
3『JR上野駅公園口』柳美里(2014年/河出書房新社)😁😭🤔🤓
2『芸人人語』太田光(2020年/朝日新聞出版)😁🤣🤔🤓
1『銃・病原菌・鉄 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』ジャレド・ダイアモンド著、倉骨彰訳(2000年/草思社)😁😳🤔

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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