今も昔もミスがミスを呼ぶ野球の不思議⚾️

オリックスは五回1死満塁から5番・T-岡田の投手強襲内野安打で11点目

2年ぶりの交流戦、2試合目の取材に出かけたのは通い慣れたハマスタのDeNA-オリックス戦である。
ちなみに、このカードはセ・リーグ6位とパ・リーグ5位、12球団で優勝から遠ざかっている年数が一番長いチームと二番目に長いチームの対戦。

オリックスは「がんばろう神戸」を合い言葉に優勝した神戸本拠地時代の1996年以来24年、DeNAは38年ぶり優勝した横浜時代の1998年以来22年、優勝していない。
当時の両チームの優勝は社会現象と言ってもいいほどの盛り上がりで、僕もよくオリックス・仰木、横浜・権藤両監督に取材していたから、まさに隔世の感がある。

DeNAはきのう、交流戦開幕に合わせて、投打に渡る大がかりなコーチ陣の入れ替えを行ったばかり。
これまでは一軍、二軍の双方を見て回る巡回打撃コーチだった田代富雄さんが一軍専任に配転され、試合でベンチに入ることになった。

そうしたら、昨夜はオリックスとの初戦で5本塁打が飛び出し、計12安打10得点と今季一番の快勝。
この調子ならきょうも期待できそうだと思い、どうせならスーパームーンの皆既月食が見られる屋外球場にしようと、また横浜まで足を運んだのだが、物の見事に裏目に出た。

先発の大貫が立ち上がりから2点を失って迎えた二回、吉田の適時打で3点目を献上した直後、サード宮﨑がロメロの平凡なゴロを間に合わない本塁へ送球し、さらに4点目。
この回、最も痛かったのは、満塁とされながらも2死までこぎつけたところでセンター桑原が〝やらかした〟失策だ。

モヤの平凡なフライをグラブに収めたと、桑原本人も思っただろう次の瞬間にポロリと白球がこぼれ、2死だったから3人ともスタートを切っていた走者が全員本塁に生還し、この回一挙5点。
このエラーのショックがこたえたのか、桑原はバットで取り返すこともできず、三回2死二塁の場面でセンターフライに倒れると、四回の守備から神里に交代させられた。

TBSテレビの清原アナが「これはやはり三浦監督の愛のムチでしょうか」と振ると、解説の多村仁志さんも「そうでしょうね」。
ところが、この神里がまた、宮﨑、桑原と続いた〝ミスのウイルス〟に伝染してしまう。

0-8で迎えた四回2死一・二塁、8番打者の伏見が打ち上げたフェンスぎりぎりのフライを、神里がまたしても捕り損ね、やらずもがなの2点を与えて計10失点。
記録上はヒットとなったが、神里は打球の落下地点に入っており、「追いついてますからね」と多村さんも厳しく指摘。

記者席のモニターには、一瞬打球を捕球したと勘違いし、グラブの中を見て呆然とする神里の姿が映し出されていた。
神里は八回、4点目となる3号ソロ本塁打を放ったものの、オリックスに14点取られたあとでは焼け石に水。

仕事で野球を観るようになって30年経つが、好プレーが好プレーを呼び、凡ミスが凡ミスを呼ぶというこのチームスポーツならではの特長は今も昔も変わらない。
実際、昨夜の巨人はセンター丸のスーパープレーのあとに途中出場したショート湯浅のファインプレーが飛び出し、今夜のDeNAは宮﨑、桑原、神里と続いたミスの流れが、終盤にショートに入った知野のエラーにまで波及している。

三浦監督は試合後のインタビューで、「いきなり点差が開きましたけども、(3本出た)ホームランであったり、伊藤光の打席の粘り(六回に四球を選んで3点目に結びつける)であったり、やることはやってましたから」とコメント。
最後は「明日につながるように、(勝ち星を)取れるようにやっていきます」といつもの口調で締め括っていた。

今季最多の18安打、14得点したオリックス打線、1本塁打を含む5打数5安打のT-岡田は確かにすごかったけれど、対するDeNAの体たらくからしても、手放しで称賛されるものではないだろう。
実際、清原アナも「スタンドが静かな中で点が入っていきます」と実況していたように、ハマスタに詰めかけたオリックスファンの拍手はまばらで、それほど盛り上がっていなかったように思う。

なお、ハマスタはそもそも月の出る方向とは逆の位置にグラウンドがあるため、試合を観ながら皆既月食を見物することはできなかった。
それならと反対側の窓から空を見上げても、今夜のスーパームーンは分厚い雲の向こうに隠れたまま。

結局、DeNA側から見ると、月(ツキ)にも白星にも見離された一夜でした。
明日は勝って勝ち越そうベイスターズ、雨かもしれないけど。


スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
Scroll to top