東京ドームで「六甲おろし」を歌っている阪神ファンがいた🐯⚾️

久々に見た阪神・糸井と巨人・畠の〝近大先輩・後輩対決〟

きのうは東京ドームで巨人と阪神の首位攻防戦を見てきました。
いつもの記者席での取材ではなく、自腹で購入したネット裏の指定席Sで友人と飲食しながらノンビリ観戦。

こういうときのほうが得てして好ゲームになるもので、試合は巨人・畠、阪神・青柳が甲乙つけがたい力投を披露。
阪神が近本、マルテの一発攻勢で先制すれば、巨人もここまで打率1割台だった岡本が2発のホームランを放って追い上げる。

試合の流れが寄せては返す展開に、「声を出さないでください」とアナウンスされているスタンドは大いに沸いた。
イニングの合間にはスタンドにマスコットがやってきたり、アトラクションが行われたりと、記者席とはまったく違う雰囲気が実に楽しい。

サトウ製薬のマスコット「サトウチャン」
子供さんが参加した「キャップ・シャッフル」
ボリュームたっぷりの「チーズドッグ」

ただし、コロナ禍の影響で勝手が違うと感じたことも結構あります。
一番の違いは、スタンドの売り子さんがいなくなり、ドリンクもフードもすべていちいち売店に買いに行かなきゃならなくなったこと。

しかも、最近の〝まん防〟発出を受けて、アルコール類の販売は午後7時半から6時45分に短縮。
そこで、試合前にいそいそと生ビール(1杯800円)を買いに行ったら、プラスチックのコップにジュースみたいなフタをして渡された。

しかし、これがヌルいんだよねー。
コロナ前、売り子さんが背中に背負った樽から注いでくれたのとは大違いなので、2杯目からクラッシュアイス入りのレモンサワー(1杯600円)に変更。

などとブツクサ言いつつも、適度に酔いが回ってくると、やはり気分がよくなっちゃって、久しぶりに飲食付きの野球観戦を堪能しました。
タコ焼き(6個500円)、焼き鳥(2本380円)、チーズドッグ(530円)とドーム内のおつまみをこんなにいっぱい食べたのも久しぶり。

巨人、勝利のハイタッチ

さて、試合は吉川尚の会心の勝ち越しタイムリーで巨人の逆転勝ち。
その後、意表を突く作戦で追加点を取ろうと、満塁、打者・大城でスクイズを仕掛けたら物の見事に失敗、というあたりも原監督らしくて面白かった。

試合後、整列して一礼したときは、その原監督が喜色満面、一番嬉しさをあらわにして、何度も帽子を振っていました。
こういうところだけは、いくつになっても、還暦を過ぎても、やっぱり若大将らしい。

吉川尚がヒーローインタビューを受けている間、勝利投手の畠は正座待機

試合終了が近づくと、帰りの混雑を避けるために早めに席を立つお客さんがいる一方で、畠、吉川尚、岡本のヒーローインタビューに拍手を送っているファンもいた。
そこには、記者席では感じられないファンの一体感が漂っていたように思う。

この日の東京ドームには、コロナ禍の最中、ひいきチームを目一杯応援してストレスを発散したい、というお客さんも、もちろんたくさんいただろう。
でも、それと同じくらい、あるいはそれ以上に、ひいきチームを応援すること、ライバルチームとの試合を一緒に見ることで、ファン同士の一体感を感じたい、という共通の潜在意識が働いていたんじゃないか。

みんな、一緒に野球を見て、一緒に盛り上がりたいんだよ。
巨人ファンも、阪神ファンも。

ただ、ちょっと気になったのは、この日のようにスリリングな展開だと、思わず声を出してしまうお客さんも多かったこと。
アルコールが回るとノーマスクでおしゃべりして(人のことは言えませんが)、ラッキーセブンの七回にはマスクをずらしたまま「六甲おろし」を歌っている阪神ファンもいた。

加えて、アルコール類の販売がストップされる6時45分間際には、売店前に行列ができて過密状態。
あまり想像したくはないが、ここから感染者が発生したらどうなるか、プロ野球も予断を許さない状況にある、と思わないではいられなかった。

今時の応援スタイルは、拍手とタオルのみ、が基本です
スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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