『狂った野獣』(WOWOW)🤗

78分 東映 1976年

これは東映B級プログラムの埋もれた傑作と言っていい。
路線バスを使ったアイデア、どんでん返しが続く展開、切れ味鋭い演出に役者の身体を張った演技と、どれを取っても見応えたっぷりである。

京都で銀行強盗に失敗し、警察に追われている2人組、片桐竜次と川谷拓三が路線バスを乗っ取って逃亡を図る。
しかし、バス停に止まらず走り続けろと強要された運転手・中田慎一郎は心臓病を抱え、いつ運転中に倒れるかわからない。

その上、後部座席で沈黙を守っていた乗客・渡瀬恒彦が実は宝石強盗犯で、彼の抱えたギターケースには宝石が詰まっている。
渡瀬は犯行終了後、恋人のライダー・星野じゅんと逃走しようと計画していたのだが、片桐と川谷にバスジャックされてしまい、落ち合う場所へ行くことができない。

さて、どうなるかというストーリーにはほとんど夾雑物がなく、ラストまで一気に直線突破で突っ走る。
いや、突っ走ると言っても、路線バスだからそれほどスピードが出るわけではなく、トロトロ、ダラダラではあるのだが、このまったり感がまたいかにも1970年代っぽくてなかなかよろしい。

渡瀬がバイクの後部座席に立ってバスの窓から乗り移ったり、片桐がヘリコプターのスキッドにぶら下がったりするアクションシーンは俳優たちが自ら演じており、撮影はリハーサルなしの一発勝負。
これらのシーンでは役者の顔がはっきりと映っているので、渡瀬が故人になっていると知っていても、思わず手に汗握ってしまう。

オススメ度A。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2021リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだ ったら😑
※再見、及び旧サイトからの再録

25『一度死んでみた』(2020年/松竹)B
24『ひとよ』(2019年/日活)C
23『パーフェクト・ワールド』(1993年/米)B
22『泣かないで』(1981年/米)C
21『追憶』(1973年/米)B
20『エベレスト 3D』(2015年/米、英、氷)B※
19『運命を分けたザイル』(2003年/英)A※
18『残された者 北の極地』(2018年/氷)C
17『トンネル 9000メートルの闘い』(2019年/諾)C
16『ザ・ワーズ 盗まれた人生』(2012年/米)A※
15『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』(2019年/仏、比)A
14『ハウス・オブ・カード 野望の階段 シーズン6』(2018年/米)C
13『大時計』(1948年/米)B
12『汚名』(1946年/米)B
11『マザーレス・ブルックリン』(2019年/米)B
10『エジソンズ・ゲーム』(2017年/米)C
9『ジョン・ウィック:パラベラム』(2019年/米)C
8『ジョン・ウィック:チャプター2』(2017年/米)B
7『ジョン・ウィック』(2014年/米)C
6『容疑者、ホアキン・フェニックス』(2010年/米)C
5『宇宙戦争』(2005年/米)B
4『宇宙戦争』(1953年/米)B
3『宇宙戦争』(2019年/英)B
2『AI崩壊』(2020年/ワーナー・ブラザース)B
1『男はつらいよ お帰り 寅さん』(2019年/松竹)C

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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