『AI崩壊』(WOWOW)😉

131分 2020年 ワーナー・ブラザース

昔はハリウッドでも日本でも数多く製作されていたが、近ごろでは珍しくなった近未来SFパニック超大作。
2030年の日本、国民の健康状態を管理しているAI「のぞみ」が暴走し、人命の選別を始めて、生かすに値しないと判断した人間を皆殺しにしようとする。

正直なところ、観ている間中、終始既視感がつきまとった。
センサーがモノアイの顔のように見える「のぞみ」のビジュアルは『2001年宇宙の旅』(1968年)に出てくるコンピュータ「HAL」そっくりで、自我に目覚めて人間を服従させようとする展開は『地球爆破作戦』(1970年)のスーパーコンピュータ「コロッサス」を彷彿とさせる。

「のぞみ」が人間の寿命をコントロールできる設定、その「のぞみ」を利用して国家を征服しようと企む人間たちの存在は、『マイノリティ・リポート』(2002年)を思い起こさせる。
濡れ衣を着せられた主人公・桐生浩介(大沢たかお)が監視カメラの目をかいくぐって真相と黒幕に迫るストーリーからも、『マイノリティ…』をはじめ、何本か同工異曲の映画を観てきたような記憶が蘇ってきた。

桐生のひとり娘・心(田牧そら)が「のぞみ」のサーバーが設置された地下13階のフロアに閉じ込められるくだりでは、『アンドロメダ…』(1971年)を思い出さないではいられない。
そう思いながら観ていたせいか、本作に出てくるコンピュータ画像も、黒い画面に小さな緑の字が並んで、いやに古臭く感じられた。

とはいえ、入江悠監督の演出はテンポがよく、パンチも効いており、まったくダレることなくクライマックスまで突き進んでいくあたりはさすが。
ときには、こういう一昔前に流行ったオーソードクスな近未来SFもいいなあ、と思いました。

オススメ度B。

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※再見、及び旧サイトからの再録

1『男はつらいよ お帰り 寅さん』(2019年/松竹)C

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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