人に会うこと、会える場所と仕事があることの大切さ

試合前の打撃練習を見つめるDeNA・ラミレス監督

きょうは神宮球場へ向かっている最中、東京メトロの車中で旧知の某スポーツ紙若手記者にバッタリ。
一昨年までカープ担当だったのでよく現場で一緒になっていたが、昨年から東京オリンピック担当に異動となり、しばらく疎遠になっていた。

変わったなあ、と思ったのは、顔色がすっかり白くなっていたこと。
彼は昔、カープのキャンプからファームの試合まで熱心に取材していたので、一年中日焼けが褪せることがなかったのだ。

青山一丁目駅から神宮球場の前まで歩いていくまでの短い時間、道すがらに互いの近況を報告。
最近は、こういうちょっとした再会に元気をもらえるような気がする。

球場もまた同じ。
記者席やグラウンドにはもはや、僕と同世代の人間はほとんどいないが、それでも、数少ない昔馴染みや若い人たちとの他愛無い雑談が結構楽しい。

この仕事をやっていて、東スポに原稿を書き、NPBから取材パスを発行されていなければ、こういう時間はもてなかった。
まあ、そうなればそうなったで、自分だけの取材現場を作り、誰か相手を見つけては、詮無い話をしていたことだろうが。

人と会うことは大事だ。
若いころはいっぱい人に会っておけ、知り合いや友だちをいっぱい作れ、と昔は会社の上司や業界の先輩に言われたが、年を取ったいまこそ、人に会わなければ、人と会える場所に足を運ばなければ、いや、足を運びたい、と思う。

ただ、正直、その「人と会える場所」が「同じ会社」だったら、逆に行きたいとはまったく思わなかっただろう。
俺みたいなオッサンと顔を合わせる昔馴染みや若い人たちのほうも、たまに会うだけの球場だから、ここだけの話やざっくばらんな雑談ができる。

そんなことを考えながら、きょうは五回終了時に球場を出た。
このあと、某出版社でメジャーリーガーに単独インタビューをする仕事が入っていたためだ。

来月上旬、某誌に掲載されるインタビュー原稿は面白いものになるだろう。
明日も、もう今日か、また神宮に行きます。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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