WEDGE Infinity『赤坂英一の野球丸』184

「エースと4番は育てられない」

今年2月11日に亡くなった名将・野村克也氏の残した名言のひとつである。

いつの時代でも、どこの球団でも、真のエースと4番が務まるほどの選手は、ドラフト1位の即戦力か、他球団でそういう役割を評価されて移籍した実力者がほとんど。
ドラフト下位でプロ入りし、二軍から這い上がって4番やエースへ成長した選手は滅多にいない、という意味だ。

ノムさんは生前、「150㎞以上のスピードを出せる肩、打球をスタンドまで飛ばせる力は、いくら練習して鍛えても身につかない。
最初からその選手に生まれつき備わっているものだ」と強調していた。だから、「監督にとってエースと4番は育てるものではなく、出会うものなんだ」という理屈である。

しかし、プロ野球の真理には、たとえ少数であっても常に例外が存在する。
それを証明した、いや、証明しつつあるのが今季、筒香嘉智(現大リーグ・レイズ)に代わってDeNAの4番に座った佐野恵太。

それに、有り余る素質に恵まれたヤクルトの4番・村上宗隆もまたしかり。

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スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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