東京の感染者数がまた100人を超えた日に

きょう届いた『髙田川新聞』特別号

髙田川部屋より、毎場所前に送られてくるファン・支援者向けの『髙田川新聞』が届きました。
いつもなら、来る場所に向けて竜電、輝ら所属力士の調子と課題が詳しく書かれているこの新聞、今回は勝武士さんを悼む特別号となっています。

まだご記憶の方も多いと思いますが、勝武士さんは5月13日未明、新型コロナウイルス性肺炎による多臓器不全で他界。
まだ28歳という若さで、新型コロナ感染による死亡例としては、現時点で日本で唯一の20代であり、最年少だったそうです。

僕自身、勝武士さんと個人的なお付き合いがあったわけではないけれど、1月には髙田川部屋の初場所千秋楽祝賀会にお招き頂き、勝武士さんとも記念写真を撮ってもらったばかり。
たったそれだけの縁であっても、形容しがたいショックと哀しみを感じたことは、5月13日付Blogに書きました。

今回の『髙田川新聞』特別号は、勝武士さんの七七日に合わせて、改めて故人を偲ぶために発行されたもの。
巻頭には、髙田川親方が部屋を興す前、まだ中学1年だった勝武士さんに出会い、最初に弟子にならないかと声をかけたのが彼だった、という思い出を語っています。

生前の勝武士さんは、「俺が本当の親方の一番弟子だ」が口癖だったそうです。
この親方の追悼の言葉をはじめ、竜電、輝ら、所属力士のみなさんがそれぞれに生前の勝武士さんを振り返り、悼む言葉を綴っていました。

そういう新聞を読んで出かけようとしていた矢先、消そうとしていたテレビからニュース速報のアラームが聞こえてきた。
東京の新型コロナウイルスの感染者数が100人を超えたという。

その後、NHKが正確な感染者数は107人と報道。
こういう状態で、髙田川部屋にとって勝武士さんの弔い場所となる7月場所は行われるのか。

そして、7月10日からと決定しているプロ野球の観客入場再開にも影響はないのだろうか。
いささか凹んだ気分で、きょうもまた神宮球場へ向かいました。

村上(二塁塁上の走者)のサヨナラ本塁打でヤクルト劇勝!

昼間は真夏日だったけど、夜は涼しい風が吹き、野外の球場で野球を見るには絶好の気象条件。
三回にカープが4点を先制し、きょうはこっちのものだと思っていたら、七回に5-5の同点に追いつかれ、最後は九回に抑えのスコットがヤクルトの新4番・村上に満塁本塁打を浴びてサヨナラ負けとなった。

スコットはこの回、先頭の坂口に四球を与え、山田哲、青木に単打を連ねられて無死満塁から村上に被弾。
今季初黒星を喫した6月21日のDeNA戦でも無死満塁にされて宮﨑にタイムリー二塁打を打たれている。

開幕早々、2度も無死満塁からアウトひとつも取れずに負け投手になっちゃった守護神なんて、ちょっと記憶にありません。
しかも、スコットはベンチに帰らず、ひとりでレフト側の出口から球場を後にしてしまった。

カープにとっては何とも後味の悪い負け方というほかない。
ヒーローインタビューのお立ち台で「満塁だったので何とかランナーを返したいと思いました」と胸を張った村上くんの顔が、やけにまぶしく見えました。

と、こうして試合の余韻に浸っていると、きょう東京の感染者数が107人に上ったことをつい忘れてしまう。
それがスポーツの良さなんだよね。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』、WEDGE Infinity『赤坂英一の野球丸』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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