『ハウス・オブ・カード 野望の階段 シーズン1』(WOWOW)🤗

House of Cards: Season 1 全13章 各章43〜59分 2013年
 アメリカ=ネットフリックス、ソニー・ピクチャーズ・テレビジョン

2013年にネットフリックスから全世界に配信されて大反響を呼び、ネットドラマとして初のプライムタイム・エミー賞を受賞、通算6シーズンに渡るロングランとなった作品。
『ユージュアル・サスペクツ』(1995年)以来のコンビを組んだ主役ケヴィン・スペイシー、映画監督デヴィッド・フィンチャーがそろって製作総指揮を兼務し、最初の2章はフィンチャー自身が監督も務めている。

いや、これほど面白いとは思わなかった。
4月17日から毎週末に2章ずつ、WOWOWでの放送が始まるや、ほとんどいつも2章ぶっ続けに観てしまい、次回の放送が待ち遠しくてならなかったほど。

スペイシー演じるフランシス(フランク)・アンダーウッドは民主党の下院院内幹事で、ギャレット・ウォーカー大統領(ミシェル・ギル)誕生の暁には国務長官に取り立てられるはずだった。
しかし、リンダ・バスケス首席補佐官(サキナ・ジャフリー)からマイケル・カーン(ケビン・ルキナー)を国務長官に任命すると通告される。

フランクはカーンを追い落とすべく、スキャンダルのでっち上げに着手。
カーンの友人が学生時代、中東情勢について右派的な論文を発表していた事実に目をつけ、これをカーン自身が書いたことにしようと企む。

飲酒運転を揉み消してやったペンシルバニア州出身の下院議員ピーター・ルッソ(コリー・ストール)を捏造工作をやらせ、ワシントン・ヘラルドの新米女性記者ゾーイ・バーンズ(ケイト・マーラ)にカーンの批判記事を書かせる。
最初はフランクにいい思いをさせられ、すっかり言いなりになっていたこの2人が、やがて反旗を翻すところがシーズン1の最大の見どころ。

水質浄化を推進するNPO法人クリーンウォーター・イニシアティブを経営する妻クレア(ロビン・ライト)との間にも亀裂が生じ、クレアが学生時代の恋人の元に走るあたりもハラハラさせられる。
この夫婦、表向きは非喫煙者を装っているくせに、毎晩寝る前になると裏手の窓を開け、そろってタバコを回し喫みしながら、何だか反省会のような、それでいて腹の探り合いをしているような会話を交わす場面がなかなか面白い。

話が入り組んでいるためか、時々スペイシーがカメラ目線になり、視聴者に向かって本音や内幕を語る、という手法も効いている。
考え事や密談があるときはダウンタウンの小さくて薄汚いグリル〈フレディーズ・バーベキュー〉に行き、上等のスーツに身を包んだまま、「ここのスペアリブはワシントン一美味いんだ」と言って骨付き肉を頬張るシーンも印象的。

しかし、まさか、このシーズンの最後の最後にきて、フランク自身がピーターを〝始末〟するとは思わなかった。
スペイシーの魅力は、こういう突然凶暴さを剥き出すキャラが実によく似合っているところにある、と再認識させられました。

現実にスペイシーからゲイの関係を持つことを強要された若手俳優は、さぞかし怖かったことでしょう。
とりあえずの区切りとなる第13章では、バスケス首席補佐官を味方につけたフランクが国務長官を飛び越し、大統領から副大統領に指名されるところで幕。

これからどうなるのか、このときから早くシーズン2を観たくてたまりませんでした。
そのオープニングがまた凄まじくて…以下次回。

オススメ度A。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2020リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら😏  D=ヒマだ ったら😑
※再見、及び旧サイトからの再録

56『FBI:特別捜査班 シーズン1 #8主権を有する者』(2018年/米)C
55『FBI:特別捜査班 シーズン1 #7盗っ人の仁義』(2018年/米)B
54『FBI:特別捜査班 シーズン1 #6消えた子供』(2018年/米)B
53『FBI:特別捜査班 シーズン1 #5アローポイントの殺人』(2018年/米)A
52『アメリカン・プリズナー』(2017年/米)D
51『夜の訪問者』(1970年/伊、仏)D
50『運命は踊る』(2017年/以、独、仏、瑞)B
49『サスペクト−薄氷の狂気−』(2018年/加)C
48『ザ・ボート』(2018年/馬)B
47『アルキメデスの大戦』(2019年/東宝)B
46『Diner ダイナー』(2019年/ワーナー・ブラザース)C
45『ファントム・スレッド』(2017年/米)A
44『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019年/米)B
43『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019年/米)A
42『スパイダーマン:ホームカミング』(2017年/米)A
41『ビリーブ 未来への大逆転』(2018年/米)B
40『ワンダー 君は太陽』(2017年/米)A
39『下妻物語』(2004年/東宝)A
38『コンフィデンスマンJP ロマンス編』(2019年/東宝)C
37『FBI:特別捜査班 シーズン1 #2緑の鳥』(2018年/米)A
36『FBI:特別捜査班 シーズン1 #1ブロンクス爆破事件』(2018年/米)B
35『THE GUILTY ギルティ』(2018年/丁)A
34『ザ・ラウデスト・ボイス−アメリカを分断した男−』(2019年/米)A
33『X-MEN:アポカリプス』(2016年/米)B※
32『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014年/米)C※
31『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011年/米)B※
30『X-MEN:ダーク・フェニックス』(2019年/米)D
29『ヴァンパイア 最期の聖戦』(1999年/米)B
28『クリスタル殺人事件』(1980年/英)B
27『帰ってきたヒトラー』(2015年/独)A※
26『ヒトラー〜最期の12日間〜』(2004年/独、伊、墺)A
25『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(2015年/独)A
24『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』(1986年/米)B
23『大脱出2』(2018年/中、米)D
22『大脱出』(2013年/米)B
21『記者たち 衝撃と畏怖の真実』(2018年/米)B
20『ハンターキラー 潜航せよ』(2018年/米)C
19『グリーンブック』(2018年/米)A
18『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』(2017年/英、米)B
17『天才作家の妻 40年目の真実』(2018年/瑞、英、米)B
16『デッドラインU.S.A』(1954年/米)B
15『海にかかる霧』(2014年/韓)A※
14『スノーピアサー』(2013年/韓、米、仏)A※

13『前科者』(1939年/米)
12『化石の森』(1936年/米)B
11『炎の人ゴッホ』(1956年/米)B※
10『チャンピオン』(1951年/米)B※

9『白熱』(1949年/米)A
8『犯罪王リコ』(1930年/米)B
7『ユリシーズ 』(1954年/伊)C
6『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017年/泰)B
5『七つの会議』(2019年/東宝)A
4『キャプテン・マーベル』(2019年/米)B
3『奥さまは魔女』(2005年/米)C
2『フロントランナー』(2018年/米)B
1『運び屋』(2018年/米)A

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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