『サスペクト−薄氷の狂気−』(WOWOW)😏

Noms/Night Hunter 98分 2018年 カナダ 

前項『ザ・ボート』(2018年)と同様、WOWOW企画〈ウイークエンドエンタ/2週連続!戦慄のノンストップスリラー〉の1本として放送された作品。
『ザ・ボート』が意外な拾い物だったから、豪華キャストのこちらはもっと期待して観たのだが、ちとガッカリしました。

主人公の殺人課刑事マーシャル(ヘンリー・カヴィル)の元に、性的虐待を加えられた30代女性の死体が持ち込まれる。
その一方で、元判事ハーパー(ベン・キングズレー)はララ(エリアナ・ジョーンズ)という少女を囮にして変質者を誘い出し、意識を失わせて去勢するという〝性犯罪者狩り〟を繰り返していた。

ハーパーがララを使って女性殺人犯のアジトを突き止め、マーシャルが踏み込むと、そこには大勢の少女が拉致されていた。
犯人のサイモン(ブレンダン・フレッチャー)は多重人格者で、プロファイラーのレイチェル(アレクサンドラ・ダダリオ)が取調を進めている最中、アジトを捜索していた警察官6人が毒ガスで殺される事件が発生。

どうやら、サイモンには頭の切れる共犯者がいるらしい、というあたりまでは大いに期待させるのだが、ここからの展開がピリッとしない。
マーシャルが上司ハーパー(スタンリー・トゥッチ)、ひとり娘フェイ(エマ・トレンブレイ)と話し込む場面が何度か挟まるので、どうサイモンの犯罪に絡んでいくのかと思っていたら、どちらも最後まで本筋から外れたまま。

いったん脱走したサイモンを再逮捕するときは機関銃を構えた警官隊を隠れ家に突入させていながら、再度逃げ出したサイモンを追跡する段になるとマーシャルひとりだけで、案の定返り討ちに遭いそうになる、という展開もあまりに間が抜けている。
サイモンの正体に関するアイデアは映画や小説にいくつか先例があるので反則とは言わないが、ストーリー展開の中できちんと生かせていない。

オススメ度C。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2020リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら😏  D=ヒマだったら😑
※再見、及び旧サイトからの採録

48『ザ・ボート』(2018年/馬)B
47『アルキメデスの大戦』(2019年/東宝)B
46『Diner ダイナー』(2019年/ワーナー・ブラザース)C
45『ファントム・スレッド』(2017年/米)A
44『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019年/米)B
43『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019年/米)A
42『スパイダーマン:ホームカミング』(2017年/米)A
41『ビリーブ 未来への大逆転』(2018年/米)B
40『ワンダー 君は太陽』(2017年/米)A
39『下妻物語』(2004年/東宝)A
38『コンフィデンスマンJP ロマンス編』(2019年/東宝)C
37『FBI:特別捜査班 シーズン1 #2緑の鳥』(2018年/米)A
36『FBI:特別捜査班 シーズン1 #1ブロンクス爆破事件』(2018年/米)B
35『THE GUILTY ギルティ』(2018年/丁)A
34『ザ・ラウデスト・ボイス−アメリカを分断した男−』(2019年/米)A
33『X-MEN:アポカリプス』(2016年/米)B※
32『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014年/米)C※
31『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011年/米)B※
30『X-MEN:ダーク・フェニックス』(2019年/米)D
29『ヴァンパイア 最期の聖戦』(1999年/米)B
28『クリスタル殺人事件』(1980年/英)B
27『帰ってきたヒトラー』(2015年/独)A※
26『ヒトラー〜最期の12日間〜』(2004年/独、伊、墺)A
25『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(2015年/独)A
24『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』(1986年/米)B
23『大脱出2』(2018年/中、米)D
22『大脱出』(2013年/米)B
21『記者たち 衝撃と畏怖の真実』(2018年/米)B
20『ハンターキラー 潜航せよ』(2018年/米)C
19『グリーンブック』(2018年/米)A
18『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』(2017年/英、米)B
17『天才作家の妻 40年目の真実』(2018年/瑞、英、米)B
16『デッドラインU.S.A』(1954年/米)B
15『海にかかる霧』(2014年/韓)A※
14『スノーピアサー』(2013年/韓、米、仏)A※

13『前科者』(1939年/米)
12『化石の森』(1936年/米)B
11『炎の人ゴッホ』(1956年/米)B※
10『チャンピオン』(1951年/米)B※

9『白熱』(1949年/米)A
8『犯罪王リコ』(1930年/米)B
7『ユリシーズ 』(1954年/伊)C
6『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017年/泰)B
5『七つの会議』(2019年/東宝)A
4『キャプテン・マーベル』(2019年/米)B
3『奥さまは魔女』(2005年/米)C
2『フロントランナー』(2018年/米)B
1『運び屋』(2018年/米)A

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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