『Diner ダイナー』(WOWOW)😏

117分 2019年 ワーナー・ブラザース

サイテー映画評論家・デルモンテ平山としても活動している平山夢明の冒険小説協会大賞、大藪春彦賞受賞作の同題原作小説を映画化した作品。
監督は独特の作風で知られる写真家出身の蜷川実花で、沢尻エリカを復活させた前作『ヘルタースケルター』(2012年)はなかなか面白かった。

不幸な生い立ちを持つ主人公・大場加奈子(大バカな子=玉城ティナ)は、メキシコに行く旅費30万円を稼ぐため、殺し屋の逃走用ドライバーのアルバイトをするが、仕事に失敗。
自分たちを追いかけていた一味に捕らえられ、死にたくなかったら殺し屋専門の食堂〈Diner〉で働くよう命令される。

この店のオーナー・シェフ、ボンビノ(藤原竜也)は最初のうち、加奈子に辛くあたりながらも、次第に愛情を示すようになっていく、という筋立ては大体定石通り。
スキン(窪田正孝)、キッド(本郷奏多)、教授(品川徹)など、いかにも蜷川的なキャラクターが次から次へと登場する中、この裏社会の殺し屋たちを束ねていたデルモニコ(蜷川幸雄=実花の実父)が何者かに殺され、跡目争いが近づいていることがわかってくる。

このツノ突き合っている殺し屋たちが、暫定ボスのコフィ(奥田瑛二)、無礼図(真矢ミキ)、マリア(土屋アンナ)、マテバ(小栗旬)。
という具合に豪華キャストをそろえ、クライマックスはお約束の大立ち回り、となるのだが、R指定にされたくなかったためか、暴力描写は今時にしては随分控え目で、20年前の『マトリックス』(1999年)そっくりの場面が出てくるのも何だかなあ、という感じ。

蜷川実花独特のスタイルだけで2時間引っ張るのはいささかしんどい。
次回はもっとリアリティのある緻密な脚本で撮ってほしい、と思いました。

オススメ度C。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2020リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら😏  D=ヒマだったら😑
※再見、及び旧サイトからの再録

45『ファントム・スレッド』(2017年/米)A
44『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019年/米)B
43『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019年/米)A
42『スパイダーマン:ホームカミング』(2017年/米)A
41『ビリーブ 未来への大逆転』(2018年/米)B
40『ワンダー 君は太陽』(2017年/米)A
39『下妻物語』(2004年/東宝)A
38『コンフィデンスマンJP ロマンス編』(2019年/東宝)C
37『FBI:特別捜査班 シーズン1 #2緑の鳥』(2018年/米)A
36『FBI:特別捜査班 シーズン1 #1ブロンクス爆破事件』(2018年/米)B
35『THE GUILTY ギルティ』(2018年/丁)A
34『ザ・ラウデスト・ボイス−アメリカを分断した男−』(2019年/米)A
33『X-MEN:アポカリプス』(2016年/米)B※
32『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014年/米)C※
31『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011年/米)B※
30『X-MEN:ダーク・フェニックス』(2019年/米)D
29『ヴァンパイア 最期の聖戦』(1999年/米)B
28『クリスタル殺人事件』(1980年/英)B
27『帰ってきたヒトラー』(2015年/独)A※
26『ヒトラー〜最期の12日間〜』(2004年/独、伊、墺)A
25『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(2015年/独)A
24『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』(1986年/米)B
23『大脱出2』(2018年/中、米)D
22『大脱出』(2013年/米)B
21『記者たち 衝撃と畏怖の真実』(2018年/米)B
20『ハンターキラー 潜航せよ』(2018年/米)C
19『グリーンブック』(2018年/米)A
18『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』(2017年/英、米)B
17『天才作家の妻 40年目の真実』(2018年/瑞、英、米)B
16『デッドラインU.S.A』(1954年/米)B
15『海にかかる霧』(2014年/韓)A※
14『スノーピアサー』(2013年/韓、米、仏)A※

13『前科者』(1939年/米)
12『化石の森』(1936年/米)B
11『炎の人ゴッホ』(1956年/米)B※
10『チャンピオン』(1951年/米)B※

9『白熱』(1949年/米)A
8『犯罪王リコ』(1930年/米)B
7『ユリシーズ 』(1954年/伊)C
6『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017年/泰)B
5『七つの会議』(2019年/東宝)A
4『キャプテン・マーベル』(2019年/米)B
3『奥さまは魔女』(2005年/米)C
2『フロントランナー』(2018年/米)B
1『運び屋』(2018年/米)A

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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