モールトン通勤

新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化し始めたころ、介護士の友人からこんな話を聞いた。
彼の勤める施設では職員にチャリ&マイカー通勤を禁じ、バス&電車など公共交通機関を使うことを義務づけていたのだが、このルールがある日を境に逆転したという。

〝平時〟だったころは、チャリ&マイカーよりも公共交通機関のほうが事故や遅延の恐れが少ない。
そうすることが介護という職業上の目的に適っている、と判断されていた。

が、こういう〝非常時〟となり、バス&電車は新型コロナの感染リスクが高まっている。
施設にいるのは高齢者ばかりで、既往症のある人も多い。

そのため、介護士や関係者にはなるべく感染リスクを避けて通勤してもらわなければならなくなったのです。
というわけで、僕もきょう、所用のためにマイチャリで出かけてきました。

正午前の皇居周辺は散歩やジョギングをしている人もまばら

これがきょう使用したマイチャリ、アレックス・モールトンAM 16。
大きなリヤバッグを見て、おや、A先生も原稿料が稼げなくなって、とうとうUber Eatsのアルバイトを始めたのか、と勘違いしないように。

この自転車はいわゆる小径車の元祖で、イギリスのアレックス・モールトン博士が開発し、本社のある古城で作られた最後のモデル。
フレームカラーは伝統のペールグレー、ホイールは17インチで、ともにこの後のモデルから仕様が改められたため、現在は絶版となっている。

なお、コンポーネントはシマノ105、ハンドルバーはニットー、バーテープ&サドルはブルックス、ボトル&ボトルケージはエリート、リヤバッグはモールトンの純正品。
正確には覚えてないけど、全部で60万円以上はかかっているはず。

購入したのは確か2003年ごろ、ショップのフロアに現品限りのフレームキットが展示されているのをたまたま目にして、飛びつくように買ったのだった。
日刊現代の社員記者時代で、当時はよく通勤&街乗り用に使っていた。

きょうはこの自転車で皇居周辺〜神保町〜新橋〜お台場と回ってUターン。
モールトンにはサイクルコンピュータを付けてないので正確な距離はわかりませんが、大体42〜43㎞でしょうね。

昼食時の新橋駅前は閑散としていたが、背後の飲食街は結構3密状態
お台場で東京オリンピックの海上モニュメントが見えるポイント

立入禁止になっているお台場海浜公園の向こうに、五輪ロゴマークの海上モニュメントを見たときは、ちょっぴり悲しくなった。
来年こそ東京オリンピックが行われますように。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
先頭に戻る