『FBI:特別捜査班 シーズン1 #2緑の鳥』(WOWOW)🤗

FBI: #2 Green Birds 
1話45分 2018年〜 アメリカ=CBS
日本初放送:WOWOW 2020年4月25日

第1話は面白いことは面白かったけれど、この登場人物たちに視聴者が感情移入できるかどうかは今後の展開次第だろう、と思った。
主人公の女性捜査官マギー・ベル(ミッシー・ペリグリム)のキャラクターが暗くて重いのに加え、相棒のオドル・アドム・“OA”・ジダン(ジーコ・ザキ)のアラブ系の風貌にもある種の違和感を感じたからである。

しかし、そうした不見識による第一印象は、この第2話によって完璧に一変。
今回は相棒OAジダンのキャラクターが前面に打ち出されており、よくこういう特異な人物像をテレビドラマで成立させたものだと感心させられた。

オープニングのツカミは第1話以上にショッキング。
天気の良いランチタイム、ダウンタウンの公園でデリバリーフーズを食べていたビジネスマンたちが次々に痙攣を起こし、白目を剥いて昏倒。

死者と重症者が続出した現場にマギーとOAジダンが駆けつけ、被害者の全員がコリアンデリのサラダを食べていたことを突き止める。
デリの監視カメラには、サラダバーのテーブルにスプレーで毒物を吹きかけている少女の姿が映っていた。

ところが、マギーとOAジダンが身柄を確保しようとした矢先、その少女も毒物によって死亡。
少女が来ていた反体制派ヘビメタバンドのTシャツから、彼女がイスラム系テロ組織ISに操られていたことが判明する。

ここでOAジダンが、自分もイスラム教徒であることをカミングアウト。
イスラム世界に関する知識とアラビア語を駆使し、少女がアクセスしていたISのチャットから、ISの手先となっているイスラム教信者に辿り着く。

ISがイケメン兵士の画像をダシにしてイジメに遭っているティーエイジャーを引き込む手口などリアリティたっぷり。
容疑者の家族にイスラム教信者として信仰のあり方を説くジーコ・ザキの演技にも説得力と迫力がある。

と思ったら、この俳優はエジプト出身で、実生活でも敬虔なイスラム教徒なのだそうだ。
ドラマ終了後のインタビューでは、「イスラム教徒がテレビドラマの主役になるのも、そういう役を本物のイスラム教徒が演じるのも、これが初めてだろう」と語っている。

これは面白くなってきた。
いまから第3話が楽しみです。

オススメ度A。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2020リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら😏  D=ヒマだったら😑
※再見、及び旧サイトからの再録

36『FBI:特別捜査班 シーズン1 #1ブロンクス爆破事件』(2018年/米)B
35『THE GUILTY ギルティ』(2018年/丁)A
34『ザ・ラウデスト・ボイス−アメリカを分断した男−』(2019年/米)A
33『X-MEN:アポカリプス』(2016年/米)B※
32『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014年/米)C※
31『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011年/米)B※
30『X-MEN:ダーク・フェニックス』(2019年/米)D
29『ヴァンパイア 最期の聖戦』(1999年/米)B
28『クリスタル殺人事件』(1980年/英)B
27『帰ってきたヒトラー』(2015年/独)A※
26『ヒトラー〜最期の12日間〜』(2004年/独、伊、墺)A
25『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(2015年/独)A
24『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』(1986年/米)B
23『大脱出2』(2018年/中、米)D
22『大脱出』(2013年/米)B
21『記者たち 衝撃と畏怖の真実』(2018年/米)B
20『ハンターキラー 潜航せよ』(2018年/米)C
19『グリーンブック』(2018年/米)A
18『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』(2017年/英、米)B
17『天才作家の妻 40年目の真実』(2018年/瑞、英、米)B
16『デッドラインU.S.A』(1954年/米)B
15『海にかかる霧』(2014年/韓)A※
14『スノーピアサー』(2013年/韓、米、仏)A※

13『前科者』(1939年/米)
12『化石の森』(1936年/米)B
11『炎の人ゴッホ』(1956年/米)B※
10『チャンピオン』(1951年/米)B※

9『白熱』(1949年/米)A
8『犯罪王リコ』(1930年/米)B
7『ユリシーズ 』(1954年/伊)C
6『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017年/泰)B
5『七つの会議』(2019年/東宝)A
4『キャプテン・マーベル』(2019年/米)B
3『奥さまは魔女』(2005年/米)C
2『フロントランナー』(2018年/米)B
1『運び屋』(2018年/米)A

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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