『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(WOWOW)😉

X-Men: First Class 131分 2011年 アメリカ=20世紀FOX 

X-MENシリーズのスピンオフ企画第2弾。
コレ、意外に楽しめます。

前作の『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009年)では1979年のスリーマイル島原発事故をネタにしていたが、本作では1962年のキューバ危機を題材にしている。
いずれも、すべてはミュータントたちの仕業だったという陰謀史観的な筋立てで、おいおい、これじゃ『ウォッチメン』(2009年)じゃんかよ、とツッコミを入れたくなるね。

監督・脚本は快作『キック・アス』(2010年)を撮った才人にして、クローディア・シファーとの間に3人も子どもを作った幸せ者にして男の中の男、マシュー・ヴォーン。
今回も堂々たる演出、エスプリの利いた仕掛け、念入りなつじつま合わせでオタクの男心を鷲掴みにしてくれます。

とりわけ、1960年代という時代背景に合わせ、当時の冷戦を扱ったスパイ映画やサスペンス映画のテイストを取り入れているところなど、まことに心憎い。
クライマックスでX-MENのメンバーがおそろいのユニフォーム姿で出撃するあたり、うれしくてゾクゾクしちゃいました。

ただし、キャスティングに難あり。
プロフェッサーX役のジェームズ・マカヴォイはシリーズ3作のパトリック・ステュワートに、マグニートー役のマイケル・ファスベンダーも同じくイアン・マッケランに比べていかにも貫目不足。

悪役のケヴィン・ベーコンもスケールの大きさに欠ける。
少年刑務所でおカマを掘りまくるチンピラ看守役の『スリーパーズ』(1996年)とか、全身が透明になったら女とヤルことしか考えられなくなったキチガイ科学者役の『インビジブル』(2000年)ではいい味を出してたけど、人類を滅亡に追い込むスーパーウルトラミュータントにまで格上げされると、さすがに荷が重過ぎたかな。

家庭視聴用お勧め度はBです。

旧サイト:2012年6月3日(日)付Pick-upより再録

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2020リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら😏  D=ヒマだったら😑
※再見、及び旧サイトからの再録

30『X-MEN:ダーク・フェニックス』(2019年/米)D
29『ヴァンパイア 最期の聖戦』(1999年/米)B
28『クリスタル殺人事件』(1980年/英)B
27『帰ってきたヒトラー』(2015年/独)A※
26『ヒトラー〜最期の12日間〜』(2004年/独、伊、墺)A※
25『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(2015年/独)A
24『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』(1986年/米)B
23『大脱出2』(2018年/中、米)D
22『大脱出』(2013年/米)B※
21『記者たち 衝撃と畏怖の真実』(2018年/米)B
20『ハンターキラー 潜航せよ』(2018年/米)C
19『グリーンブック』(2018年/米)A
18『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』(2017年/英、米)B
17『天才作家の妻 40年目の真実』(2018年/瑞、英、米)B
16『デッドラインU.S.A』(1954年/米)B
15『海にかかる霧』(2014年/韓)A※
14『スノーピアサー』(2013年/韓、米、仏)A※

13『前科者』(1939年/米)
12『化石の森』(1936年/米)B
11『炎の人ゴッホ』(1956年/米)B※
10『チャンピオン』(1951年/米)B※

9『白熱』(1949年/米)A
8『犯罪王リコ』(1930年/米)B
7『ユリシーズ 』(1954年/伊)C
6『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017年/泰)B
5『七つの会議』(2019年/東宝)A
4『キャプテン・マーベル』(2019年/米)B
3『奥さまは魔女』(2005年/米)C
2『フロントランナー』(2018年/米)B
1『運び屋』(2018年/米)A

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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