『大脱出2』(WOWOW)😑

Escape Plan 2: Hades 96分 2018年 中国、アメリカ=ライオンズゲート
日本公開:2019年 配給:クロックワークス

こんなご時世だから、くだらなくて、アツくなれて、スカッとするような映画を観たいと思い、この作品を録画しておいた。
こういうときこそ〝元気の出るスタローン印〟に限る! と思いまして。

しかし、いくら何でも、これほどデタラメ(というよりヘン)な映画だとは思わなかったな〜。
スタローンはわが青春時代のスターだし、『クリード 炎の宿敵』(2018年)のパンフレットにコラムを寄稿した縁もあるし、大好きな俳優なんですが。

そのスタローンの役どころは、前作『大脱出』(2013年)と同じ警備会社社長、かつ〝脱獄コンサルタント〟のレイ・ブレスリン。
彼の職業の中身は、公的機関が建設した刑務所に囚人として入所し、脱獄を成功させては警備上の欠陥をアドバイスする、というもので、このキャラクター設定自体は面白い。

第2作の今回は、そのブレスリンの優秀な部下シュー(ホアン・シャオミン)がハイテク機器を備えた最新鋭の収容所ハデスに拉致される。
ただし、ハデスは公的機関が設立した拘置所や刑務所ではなく、金儲け目当ての〝黒幕〟が秘かに作り上げたもの、という設定があまりに突飛。

黒幕の狙いは、シューと家族同然に育てられた幼馴染みユシェン(チェン・タン)が開発し、特許を取った最新鋭の通信技術。
世界中のコンピュータにハッキングでき、衛星まで自由自在に操れるというものだった、というところまでくると、くだらなさを通り越し、単なる絵空事としか思えない。

しかも、中国主導で製作されているためか、全編を占める主役は中国人俳優のシャオミンとタンのふたり。
メインキャストとしてクレジットされているスタローン、相棒デローサ役のデイヴ・バウティスタは助演にとどまっており、こりゃ看板に偽りあり! じゃないかなあ。

オススメ度D。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2020リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら😏  D=ヒマだったら😑
※再見、及び旧サイトからの再録

22『大脱出』(2013年/米)B
21『記者たち 衝撃と畏怖の真実』(2018年/米)B
20『ハンターキラー 潜航せよ』(2018年/米)C
19『グリーンブック』(2018年/米)A
18『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』(2017年/英、米)B
17『天才作家の妻 40年目の真実』(2018年/瑞、英、米)B
16『デッドラインU.S.A』(1954年/米)B
15『海にかかる霧』(2014年/韓)A※
14『スノーピアサー』(2013年/韓、米、仏)A※

13『前科者』(1939年/米)
12『化石の森』(1936年/米)B
11『炎の人ゴッホ』(1956年/米)B※
10『チャンピオン』(1951年/米)B※

9『白熱』(1949年/米)A
8『犯罪王リコ』(1930年/米)B
7『ユリシーズ 』(1954年/伊)C
6『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017年/泰)B
5『七つの会議』(2019年/東宝)A
4『キャプテン・マーベル』(2019年/米)B
3『奥さまは魔女』(2005年/米)C
2『フロントランナー』(2018年/米)B
1『運び屋』(2018年/米)A

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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