『大脱出』(WOWOW)😉

Escape Plan 115分 2013年 アメリカ=サミット・エンターテインメント、ライオンズゲート
日本公開2014年 ギャガ

スタローンとシュワルツェネッガーが初めてがっぷり四つに組んだ共演作品。
ふたりのカラミを見たいファンにとっては、スタが主演、シュワがカメオ出演の〈エクスペンダブルズ〉シリーズよりもずっと見どころが多い。

主人公はやはりスタのほうで、民間警備会社に勤める脱獄のプロというキャラクター。
政府から秘密裏に仕事を請け負い、囚人として潜入した刑務所から実際に脱獄して見せ、警備体制の不備を報告する、という仕事を生業としている。

そのスタが、CIAのエージェントを名乗る女性から破格の報酬で新たな依頼を受ける。
彼女が脱獄を試みるよう要請してきたのは、民間の会社が運営しており、場所や名前はおろか、存在すらも公になっていない重犯罪者専門の極秘刑務所だ。

これはヤバイ、ウラがありそうだ、やめておけと押しとどめる仲間や恋人の声を尻目に、スタはこの仕事を承諾。
で、いざ刑務所に入ってみたら、事前に聞かされていた所長とは別人の男が所長をやっていて、身分を偽っているスタの正体もバレバレだった。

おまえは死ぬまでここから出られないぞ、と所長から冷酷な宣告を受けたスタに救いの手を差し伸べる囚人がシュワ。
このふたりが手に手を取り合い、いかにして脱獄を実現させるか、というのがストーリーの骨子である。

あれこれ創意工夫をこらした脚本で、見ている間はまったくもたれない。
とりわけ刑務所の謎が解き明かされる過程が面白く、最後まで楽しませてくれる。

ただ、スタとシュワのからむ場面が意外に迫力に乏しく、笑いを取るほうに逃げているのが物足りない。
また共演作をつくるのなら、ふたりにタッグを組ませるより、真っ向からのタイマン勝負を望みたい。

お勧め度はB。

※旧サイト:2015年01月17日(土)付Pick-upより再録

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2020リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら😏  D=ヒマだったら😑
※再見、および旧サイトからの再録

21『記者たち 衝撃と畏怖の真実』(2018年/米)B
20『ハンターキラー 潜航せよ』(2018年/米)C
19『グリーンブック』(2018年/米)A
18『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』(2017年/英、米)B
17『天才作家の妻 40年目の真実』(2018年/瑞、英、米)B
16『デッドラインU.S.A』(1954年/米)B
15『海にかかる霧』(2014年/韓)A※
14『スノーピアサー』(2013年/韓、米、仏)A※

13『前科者』(1939年/米)
12『化石の森』(1936年/米)B
11『炎の人ゴッホ』(1956年/米)B※
10『チャンピオン』(1951年/米)B※

9『白熱』(1949年/米)A
8『犯罪王リコ』(1930年/米)B
7『ユリシーズ 』(1954年/伊)C
6『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017年/泰)B
5『七つの会議』(2019年/東宝)A
4『キャプテン・マーベル』(2019年/米)B
3『奥さまは魔女』(2005年/米)C
2『フロントランナー』(2018年/米)B
1『運び屋』(2018年/米)A

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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