巨人のスタッフミーティング⚾️

きょうは巨人の首脳陣、球団幹部、チームスタッフの全員が都内のホテルに集結し、スタッフミーティングを行った。
山口オーナー、原監督、元木ヘッドコーチ、宮本チーフ投手コーチ、阿部二軍監督が囲み取材に応じ、2月から始まるキャンプの構想、期待している若手について語り、今季にかける意気込みを披露している。

原監督によれば、他球団より劣るファースト、セカンド、キャッチャーがレギュラー争いの重要なポイント。
ファーストについては「昨年(二軍で)首位打者を取った山下(航汰)くん、北村(拓己)くん、ナカジ(中島宏之)」、キャッチャーは「大城(卓三)がキャッチャーかファーストでどうなるか」と具体的な名前も挙げてみせた。

山口オーナーは囲み取材で「今年こそ何としても日本一を取りたい」と強調。
昨年、日本シリーズで初戦から4連敗したソフトバンクに「勝たなければならない」と、チームの指揮を鼓舞している。

ミーティング終了後には、日本ラグビー協会コーチングディレクター、元早大監督の中竹竜二氏の講演を首脳陣とスタッフが拝聴。
昨年のワールドカップで初のベスト8入りを果たした日本代表のチームづくり、監督と選手のコミュニケーション、さらに「コーチをコーチする(指導者を育成する)」方法などを教わったという。

こういう他ジャンルのスポーツから講師を招いたのも、原監督が自らファームの若手数人の名前を口にしたのも、私の覚えている限り、巨人のスタッフミーティングでは珍しいことである。
2012年以来、8年ぶりの日本一奪回という目標を掲げながら、首脳陣のコメントの端々には「難しい」「厳しい」という言葉も聞かれた。

私は1989年以降、ほぼ毎年、巨人のスタッフミーティングを取材している。
長嶋監督時代の1990年代は、まだ元気で鼻息の荒かった渡辺オーナーが「今年こそチーム一丸、火の玉となって燃えて日本一奪回を目指す!」という檄文を読み上げたりして、それがスポーツ紙の1面を飾っていたものだ。

当時の私は、どの球団でもこのようにホテルの大広間を借り、オーナーが同席して出陣式のようなことをやっているのかと思っていた。
しかし、例えば最近の広島は、球場内部で記者会見などに使われる会議室にコーチが集まり、キャンプやシーズンについての方針を確認し合うだけだという。

巨人でも、キャンプの方針やメニューについてはすでにジャイアンツ球場で行われたコーチ会議で決定済みで、この日は確認が行われただけ。
それでも、オーナーと監督の下、シーズンに帯同するスタッフが全員集結し、日本一を誓い合うのが名門球団のスタイルなのです。


スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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