幻のセ・リーグ新記録17連敗原稿

試合前、ハマスタの記者席で食べたお昼ご飯は関内駅で買った崎陽軒のシウマイ弁当860円。20年前は650円だったんだけどなー。

きょうは当初、東京ドームへ巨人-中日戦を取材に行くつもりだったが、きのうの試合結果を受けて予定変更。
きのうヤクルトがDeNAに敗れてセ・リーグタイ記録の16連敗に達し、きょうのこのカードにリーグ新記録の17連敗の可能性が出てきたため、横浜スタジアムへ行ってきました。

WEDGE Infinity『赤坂英一の野球丸』にも書いた通り、この両チームは監督が必ず試合前の囲みをやってくれるのがありがたい。
DeNA・ラミレス監督は16連敗中のヤクルトについて聞かれると、「10連敗までは経験があるけど、16連敗までしたことはないからね、わからないよ」。

そう言えば、あの10連敗(4月28日、巨人戦、東京ドーム)も、その翌日(同29日、同カード)の連敗ストップも現場で取材したんだよな。
あのとき、一部でラミレス監督休養説が報じられたのが、もう何年も前のことのように思える。

一方、ヤクルト・小川監督は試合前、スタメンに「1番ライト・塩見、8番捕手・古賀」を起用することを公表。
「16連敗中、オーダーが15通りとか16通りとか言われるけど、これも勝つためなんでね、固定できなくて選手には迷惑をかけているし、申し訳ないんだけども」という口調に、たたき上げの指揮官の人柄が滲んでいた。

「パッと目が覚めたら、これはみんな夢だった、ということにならないかな」とこぼしていたのは石井琢打撃コーチ。
それでも、みなさん、しっかりこちらの取材に答えているあたりは、さすがプロの集団と、改めて感心しました。

さて、試合は石井琢コーチが預かる打線が初回からつながり、一回に大引のタイムリー二塁打で3点、二回に塩見のタイムリー三塁打でもう1点、三回にはバレンティンのソロ本塁打でさらに1点と計5得点。
中4日で先発した原樹理も6回3分の2を1失点で抑える〝献身的〟粘投でチームの連敗をストップさせた。

試合後の小川監督は「ホッとしちゃいけないんだろうけど、ホッとしました」と安堵の表情。
一方、負けたラミレス監督は、先発の浜口を1イニングだけで降板させたことについて、「彼は去年から横浜スタジアムで0勝6敗、防御率もベリーハイ、きょうも初回で決まってしまった」と、こちらは大変お冠でした。

正直、セ・リーグ新記録の17連敗に達したら、その原稿も用意していたんですけどね。
残念な、いや、幸いなことに、あえなく幻になってしまいました。

さあ、来週から交流戦か。
今シーズンも早いなー。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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