『ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー』(WOWOW)

(Solo: A Star Wars Story/135分 2018年 アメリカ=ウォルト・ディズニー・モーション・ピクチャーズ)

ディズニーによる『スター・ウォーズ』シリーズのスピンオフ企画〈アンソロジー・シリーズ〉第2作。
なかなかの力作だった前作『ローグワン スター・ウォーズ・ストーリー』(2016年)と同じ第1作『SW 新たなる希望』(1977年)の前日譚だが、こちらはいささか期待外れに終わっている。

本シリーズの人気キャラクター、ハン・ソロはいかにしてチューバッカとともに愛機ミレニアム・ファルコンで銀河を飛び回る一匹狼の密輸パイロットとなったのか。
開巻、銀河帝国軍の下請け工場地帯みたいな惑星コレリアで生まれ育った少年ハン(オールデン・エアエンライク)が、恋人のキーラ(エミリア・クラーク)を連れて抜け出そうとする姿が描かれる。

ランドスピーダーを使った港でのカーチェイスは迫力たっぷりで、いざ税関を通過しようとした途端、キーラだけが捕まって連れ戻される、という展開もツカミとしてはうまい。
いずれはパイロットとして独立し、キーラを連れ戻そうと誓ったハンは、帝国軍のパイロットアカデミーに入る。

ここで、ハンが受付の軍人にソロという姓を初めて付けられる場面とアイデアがいい。
しかし、パイロットになりたいというハンの望みは叶わず、帝国陸軍の歩兵に回されて地上戦に送られてしまう。

軍隊から脱走しようとして逮捕され、泥だらけの地下牢に収容されたハンは、ここで生涯の相棒となるチューバッカと出会う。
そのチューバッカとともに戦場で知り合ったトバイアス・ベケット(ウディ・ハレルソン)、恋人ヴァル(タンディ・ニュートン)の率いる強盗団に参加。

ハンとトバイアスは渓谷地帯にある武器商人ドライデン・ヴォス(ポール・ベタニー)のアジトに忍び込み、高値で取引されている燃料コアクシウムを強奪しようとする。
高速で疾走するモノレールで展開されるこのアクションシーンも大きな見せ場なのだが、このあたりでSWを第1作からオンタイムで観ているファンには何とも言えない違和感がこみ上げてくる。

冒頭のチェイスシーンから、空港や戦場の描写、ハンがチューバッカやベケットらと知り合い、高速モノレールでの大立ち回りに至るところまで、とにかく画面の色調が一貫して暗い。
エアエンライクが熱演している若き日のハンも、本シリーズでハリソン・フォードが演じた陽気なアウトローとは雰囲気が違い、次第にまったくの別人としか思えなくなってくる。

さらに、ドライデンの屋敷にハンが潜入すると、ここでドライデンの組織の一員になっていたキーラと再会、ハンが内心でショックを受ける、という展開もいただけない。
主人公と離れ離れになっていた恋人が仇の親分の愛人になっていた、という昔のギャング映画みたいで、SW本来のテイストとは相容れない筋立てだろう。

もっと言えば、ドナルド・グローバーが演じるハンの親友ランド・カルリジアンも、懸命にオリジナルのビリー・ディー・ウィリアムズに近づけようとしながら、結果としてまったく異なるキャラクターとなっている。
クライマックスも二転三転するどんでん返しがあまりにしつこく、カタルシスが感じられなかった。

だからか、アメリカでは興行的に失敗したそうである。
若き日のハン・ソロだけでシリーズ化するのは難しいでしょうね。

オススメ度C。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2019リスト
※A=ぜひ!(^o^) B=よかったら(^^; C=ヒマなら(-_-) D=やめとけ(>_<)

38『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』(2017年/米)D
37『デッドプール2』(2018年/米)C
36『スキャナーズ3』(1991年/加)C
35『スキャナーズ2』(1991年/米、加、日)C
34『スキャナーズ』(1981年/加)B
33『エマニエル夫人』(1974年/仏)C
32『死刑台のエレベーター』(1958年/仏)B
31『マッケンナの黄金』(1969年/米)C
30『勇気ある追跡』(1969年/米)C
29『サウンド・オブ・ミュージック』(1965年/米)A
28『ドクトル・ジバゴ 』(1965年/米、伊)A
27『デトロイト』(2017年/米)B
26『クラッシュ』(2004年/米)A
25『ラ・ラ・ランド』(2016年/米)A
24『オーシャンズ13』(2007年/米)B
23『オーシャンズ12』(2004年/米)C
22『オーシャンズ11』(2001年/米)B
21『オーシャンと十一人の仲間』(1960年/米)B
20『マッキントッシュの男』(1973年/米)A
19『オーメン』(1976年/英、米)B
18『スプリット』(2017年/米)B
17『アンブレイカブル 』(2000年/米)C
16『アフター・アース』(2013年/米)C
15『ハプニング』(2008年/米)B
14『麒麟の翼〜劇場版・新参者』(2912年/東宝)C
13『暁の用心棒』(1967年/伊)C
12 『ホテル』(1977年/伊、西独)C※
11『ブラックブック』(2006年/蘭)A
10『スペース・ロック』(2018年/塞爾維亜、米)C
9『ブラックパンサー』(2018年/米)A
8『ジャスティス・リーグ』(2017年/米)C
7『ザ・リング2[完全版]』(2005年/米)C
6『祈りの幕が下りる時』(2018年/東宝)A
5『ちはやふる 結び』(2018年/東宝)B
4『真田幸村の謀略』(1979年/東映)C
3『柳生一族の陰謀』(1978年/東映)A
2『集団奉行所破り』(1964年/東映)B
1『大殺陣』(1964年/東映京都)C

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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