相続の手続きは事務的に淡々と

YMfg、ゆうちょ銀行から送られてきた必要書類

母の葬儀を行った翌日、僕は母名義の通帳を手に、郵便局ともみじ銀行に足を運んだ。
母の口座を凍結し、預貯金の相続はどのように手続きすればいいのか、説明を聞くためだ。

父が亡くなった時にも経験しているが、4年前なので覚えていないこともある。
加えて、郵便局も銀行も、当時と今とではやり方が変わっていた。

ゆうちょ銀行では4年前、必要書類を郵送したら相続する額の金券が返送されてきて、それを郵便局の窓口で現金化していた。
当時は数百万円の札束を郵便局で受け取り、それをリュックサックに詰めてもみじ銀行へ持って行ったものだ。

しかし、現在では、相続人が指定した金融機関の口座に、相続する金額が直接振り込まれるようになっている。
ゆうちょ銀行に口座を開設し、そこに振り込んでもらえば手数料は無料になるが、他行の口座に移す場合は880円の手数料がかかる、という仕組みだ。

もみじ銀行では、口座を凍結する手続きが終わると、MUfg相続センターの電話番号(フリーダイヤル)が書かれた紙を渡された。
4年前は窓口ですべての手続きを行っていたが、今は相続センターに口頭で自分の住所や電話番号を伝え、手続きに必要な書類を郵送してもらうことになっている、という。

この後、竹原市役所で相続に必要な母の戸籍謄本、出生から死亡までのすべてが記載された全部証明を取得。
母の死後、市役所に出向いたのは初めてで、年金の受給を止める手続きも行ったはずだが、今から数日前のことなのに、そちらのほうはよく覚えていない。

8日に帰京すると、ゆうちょ銀行、MUfgから相続に必要な書類が届いていた。
翌9日、小守スポーツマッサージ療院へ行った帰り、新宿区役所に寄って自分の印鑑証明を取得。

新宿区役所 今回の手続きのために初めて中に入った

翌10日、必要事項を書き込んだゆうちょ銀行、MUfgの書類を持って最寄の神楽坂郵便局へ。
ここでまず、貯金窓口の郵便局員が母の戸籍謄本と僕の印鑑証明のコピーを取り、ゆうちょ銀行の申請書類に記入漏れがないことを確認して、すべてを指定の封筒に入れると手続き終了。

その後、戸籍謄本と印鑑証明の原本をMUfgの簡易書留封筒に入れ、もう一度相続センターに電話し、すべての書類がそろっていることを確認。
これを郵便局の窓口に提出し、相続の手続きはすべて終了した。

お父さんは死期を悟った頃、労金や証券会社に分散させていたお金を、地銀とゆうちょ銀行の普通(ゆうちょは総合)と定期にまとめていた。
それを自分3分の2、お母さん3分の1に分割して所有している。

恐らく、息子の僕が相続しやすいようにと考えての措置ではなかったか。
お母さんも、認知症が進む前から、「うちのお金はあんたにやる」と笑いながら言っていた。

数週間もすれば、それなりの金額が僕の口座に入ってくるが、うれしいとは思わない。
今になって両親の恩を痛切に感じながら、お礼を言おうにも、もうこの世にはいないという現実を噛みしめている。

お母さんが逝って間もなく、同い年の元アナウンサー多昌博志さんが亡くなった。
3月29日に母が他界してから10日後、4月7日のことだった。

昨夜、巨人・川相コーチのファンからXにメッセージがあり、川相コーチを熱心に応援し、共通の知人でもあった方が昨年、84歳で鬼籍に入っていたことを知った。
寂しくなるばかりだが、これが時の流れというものか。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。2010〜2026年、東京スポーツでコラムや野球記事を連載。 日本文藝家協会会員。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。
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