里帰りしたら侍が負けた🛬📱⚾

これは機内Wi-Fiが途切れた時の画像です

きょうから毎月恒例の帰省生活に入るため、午前10時5分羽田発、11時30分広島着のJAL257で帰ってきた。
ちょうどWBC準々決勝・日本-ベネズエラ戦が行われている時間帯である。

いやあ、きょうほどNetflixの配信が便利だと感じたことはない。
ちょっぴり贅沢してクラスJのシートに腰を落ち着け、ほぼ定刻通りに離陸した直後、スマホをネトフリにつないだら、試合開始早々、アブレイユの先頭打者アーチに大谷の同点ホームラン。

試合途中、機内Wi-Fiがブチブチ切れている間にベネズエラに勝ち越しを許した時は少々イラッとしましたけどね。
着陸20分前に佐藤輝の同点タイムリー、森下の逆転3ランが飛び出して、これなら準決勝進出は確実だと、この時は思った。

ところが、広島空港から竹原市の実家へ向かっているタクシーの車中、隅田がガルシアに追撃の2ランを浴び、伊藤がまたもアブレイユに再逆転される3ランを被弾。
帰ってきて58インチのテレビをつけたら、今度は種市がけん制悪送球する間にダメ押しの1点を取られて万事休す、である。

まあ、こうして出先でも事細かく試合中継を観戦できたのはありがたい。
日本のテレビ局関係者が言い続けているように、いくら無料でも中継が地上波だけではスポナビの速報で経過を追うしかないもんね。

それにしても、ベネズエラ打線の破壊力は凄まじかった。
とくにアブレイユの思い切りのいいスイングは、日本投手陣のデータをしっかり分析して、周到に準備していたことを伺わせる。

一方で、侍ジャパンのスタッフはどこまでベネズエラ打線を封じる対策と攻略法を考えていたのか。
と、ここで思い出したのが、前回大会で栗山監督が独自に相手国のデータを収集していた、という話。

2023年、前回大会の開幕前、東京・府中市民球場へオーストラリア代表の親善試合を取材に行ったら、旧知のプロ野球OBがスコアをつけていた。
「栗山監督のたっての要望でね、急きょNPB関係者から依頼されたんだよ」という。

前回以前の大会では、侍ジャパンにNPB球団から優秀なスコアラーが派遣されていた。
原監督で優勝した2009年第2回大会は、巨人・西山スコアラーのデータ収集と分析能力が大きく貢献していたといわれる。

しかし、前回大会では専任のスコアラーを置かず、他国の強化試合の偵察なども行っていない。
現代はトラックマンのようなデータ収集・分析システムが発達しているため、それをコーチが選手に伝達し、試合でどう生かすかは選手に任されていたそうです。

ところが、そうした中で栗山監督だけはオーストラリアを極度に警戒。
前年の強化試合で2連勝していながら、「すごく不気味なんですよ。豪州はこれからシーズンに入るので来年はまったく違うチームになっているような、そういう怖さが残り過ぎた」とまで発言していた。

そこで、栗山監督の意を受けたNPB関係者が、僕の知っているプロ野球OBを“隠密臨時スコアラー”として派遣。
その働きが役に立ったからか、1次ラウンドで日本はオーストラリアに7-1で快勝した。

ちなみに、そのオーストラリア戦で勝利を決定づけたのは、東京ドームで自分の看板に打球を突き刺した大谷の先制3ラン。
当時はスター選手への気配りを絶賛された栗山監督、実は情報戦でも手抜かりはなかった。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。2010〜2026年、東京スポーツでコラムや野球記事を連載。 日本文藝家協会会員。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。
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