『ギレーヌ・マックスウェル:権力と背徳の影で』(Netflix)😉

Ghislaine Maxwell: Filthy Rich
101分 2022年 Netflix 16+

日本ではトップニュースにならないが、欧米のメディアは連日、富豪の性犯罪者ジェフリー・エプスタインのスキャンダルを報道している。
きょうもエプスタインと親しかったイギリスの前駐米大使の任命責任を巡り、野党がスターマー首相の退陣を要求しているというニュースが駆け巡っていた。

また、エプスタインとの関係を糾弾されて王子の称号を剥奪されたアンドリュー前王子が、床に仰向けになった少女の体に覆い被さっている写真も公開された。
さらに、アンドリューの前夫人が、アンドリューとの間にもうけた2人の娘をエプスタインに引き合わせ、自らはエプスタインに結婚を迫るメールまで送ったことも明るみに出ている。

アンドリューのスキャンダルを描いた再現ドラマ『英国スキャンダル 王室を揺るがしたインタビュー』(2024)では、前夫人はエプスタインとまったく関係がないどころか、終始批判的な態度を取っていたように描かれていたが、実際は自分もエプスタインの持つ富に魅入られていたらしい。
エプスタインはひとりで性的虐待を行った人数と件数では近現代史上最大の性犯罪者とも言われており、今後も様々な新事実が出てきそうである。

そのエプスタインにはギレーヌ・マックスウェルというパートナーがいて、彼女が少女の勧誘、拉致、性行為の強要を行っていた。
資産家に生まれた美貌と高学歴の持ち主で、社交界のセレブだった彼女が、なぜエプスタインの性犯罪を進んでアシストし、時には自らも未成年の少女に虐待を加えるようになったのか。

エプスタインについてはすでに、全4話から成る詳細なドキュメンタリー『ジェフリー・エプスタイン 権力と背徳の億万長者』(2022)がNetflixから配信されているが、ギレーヌがどのような女性だったかについては不明な部分も多かった。
本作はそうした疑問に回答を出した姉妹編的作品である。

しかし、被害者たちが名前も顔も出し、表情を歪めながら性被害の詳細を証言するくだりは、今回もまた観ていて非常に痛々しい。
ジャーナリスティックな視線から観て、とても興味深く、直視するべき事件だはと思うけれど、再度見返したくなる作品ではありません。

オススメ度B。

A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。2010〜2026年、東京スポーツでコラムや野球記事を連載。 日本文藝家協会会員。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。
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