
単館上映からスタートした自主製作映画にもかかわらず、口コミやSNSで評判が広がり、120館以上の劇場で公開され、興収が2億円を突破し、日本アカデミー最優秀作品賞に輝いた作品。
幕末の侍が現代にタイムスリップした、という設定だけ効いた時は、使い古されたアイデアのように思ったが、なかなかどうして、後半はこちらの貧困な想像力を上回るダイナミックな展開を見せてくれる。
オープニングで会津藩士・高坂新左衛門(山口馬木也)、長州藩士・山形彦九郎(庄野崎謙)が京都の西教寺の前で切り結んでいる最中、落雷によって140年後にタイムスリップしてしまう。
新左衛門が意識を取り戻すと、そこは京都太秦の時代劇が撮影されるオープンセット。
テレビ時代劇の撮影を本当だと思い込んだ新左衛門は、撮影所の監督や殺陣師に風貌や剣の腕前を見込まれ、斬られ役として採用される。
現代には帰る家も身寄りもないため、かつて彦九郎を待ち伏せしていた西教寺の住職夫妻(福田善春、紅萬子)に引き取られて居候することになる、という顛末は、ちょっと無理があるなあという気はしても、素直に観ていられる。
斬られ役として映画界で名を上げた新左衛門に、やがて大型時代劇の準主役という大役のオファーが舞い込む。
しかし、彼に目をつけた時代劇の大スター、風見恭一郎(冨家ノリマサ)に大抜擢の理由を聞いた新左衛門は愕然とする。
俄然面白くなるのはこの後半からで、緊張感溢れるクライマックスも見応えたっぷり。
自主製作映画だけに、新左衛門役の山口をはじめ、ほとんど無名の役者ばかりなのもリアリティを高めている。
オススメ度B。
A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑