『スライ:スタローンの物語』(Netflix)🤗😱

Sly
95分 2023年 アメリカ=Netflix

70代後半に達したスタローンが自らの半生を振り返ったドキュメンタリー。
「トシを取るにつれ、時間がどんどん過ぎ去っていく」と、時の流れの速さに抗えないことを吐露するオープニング・インタビューから一気に引き込まれる。

スタローンのキャラは当初、いや今でも『ロッキー』(1976)と同化しているが、あの名作を自慢することもなく、長らくロッキー以外の適役を見つけられなかった悩みを告白。
『ロッキー』シリーズは「第2作までは傑作だったが、3、4は漫画で、5は失敗作だった」と極めて率直に自己評価している。

全盛期に確執が続いていたアーノルド・シュワルツェネッガーが登場し、スタローンを自分より優れたアイデアマンだと持ち上げているのが、今にしてみるとおかしい。
同じネトフリによるシュワのドキュメンタリー『アーノルド』(2023)にはスタローンが出演しているので、さてはバーターだったのか。

私生活で印象深いのは父親との確執。
スタローンの弟曰く、父親は世界的大スターとなった自分の息子に嫉妬していたそうで、スタローンが父親のために行ったポロの最中、マレット(ボールを打つ棒)でスタローンを突き、大ケガをさせるところだったという。

それでも父親が亡くなる時は家族全員を集めて見送ったそうだ。
こういう話を見聞きするたび、我が身を振り返って、それに比べて俺は…と、いまだに父親の死に目に会えなかったことが悔やまれてならない(映画の感想とは関係ないけど)

オススメ度A。

A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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