『キングスマン:ファースト・エージェント』(WOWOW)🤨

The King’s Man
131分 2021年 イギリス、アメリカ=20世紀スタジオ
日本配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

イギリスのサヴィルローの老舗仕立屋を秘密基地とする民間スパイ組織〈キングスマン〉の活躍を描くアクション・コメディシリーズ3作目。
第1作『キングスマン』(2014)はコリン・ファース演じるトボけたスパイがいい味を出していて、大いに楽しませてくれたが、第2作『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2015)は悪ノリが過ぎて冗長になり、ちょっとついていけなかった。

この第3作はキングスマンがいかにして作られたかを物語る前2作の前日譚。
第1次世界大戦の背後にはロシアの怪僧ラスプーチン(リス・エヴァンス)、独裁者レーニン(アウグスト・ディール)、女間諜マタ・ハリ(ヴァレリー・パフナー)を操る「羊飼い」なる黒幕がいて、大戦に乗じてイギリスを滅ぼそうとしている。

この悪の組織に挑むのが、イギリスの名門貴族オックスフォード公爵(レイフ・ファインズ)をはじめ、息子コンラッド(ハリス・ディキンソン)、家政婦ポリー(ジェマ・アータートン)、執事ショーラ(ジャイモン・フンスー)など、後にキングスマンの創立メンバーとなる面々。
彼らが各国の皇帝や政府要人の間を奔走し、ラスプーチンやボスの羊飼いと丁々発止の格闘シーンを繰り広げる。

一応、最後まで退屈せずに観ていられるが、前2作に比べて笑わせどころが極端に少なく、コンラッドが父親にウソをついて従軍するくだりでは、従来のトーンとは打って変わってド深刻になる。
クライマックスの羊飼いとの対決もファインズやフンスーがアクション専門の俳優ではないため、いささか迫力に乏しい。

エンドクレジットでは続編をほのめかす場面が出てくるが、公開から4年たっても製作されていない。
ま、この出来栄えじゃしょうがないかな。

オススメ度C。

A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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