
95分 1968年 イタリア
仲代達矢が、というより日本の主役級のスターが出演した唯一のマカロニウエスタンとして、現在もその希少価値を評価されている作品。
仲代の役どころは、主人公モンゴメリー・フォードの恋人であるインディアン娘を目の前で強姦し、拳銃で射殺した挙げ句、その罪をフォードに着せて刑務所送りにしたという鬼畜にも等しい悪党。
日本では押しも押されもせぬ名優が、殺しの場面になるたび、大きく目を剥いてはダンビラのような刀を振り回す見せ場を大真面目に演じている。
西部劇に東洋人が出てくるのだから、幕末の日本から流れ着いたお尋ね者という理屈ぐらいつけているのかと思ったら、堂々とジェームズ・エル・フェゴーというヒスパニック系アメリカ人の名を名乗っているのには面食らった。
当時、海外の観客は日本人の仲代が外国人を演じていることに違和感を感じなかったのだろうか。
ネットの映画情報には「メキシコ人と日本人の混血」と取って付けたように解説しているサイトもあるそうだが、映画ではそんな出自は一切語られていない。
劇場公開当時はほとんど見るべきもののない凡作という酷評もあった。
しかし、いざ仲代さんが亡くなってみると、もう一度観てみたい気にもさせられますね。
旧サイト:2015年08月23日(日)Pick-up記事を再録、修正
オススメ度C。
A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑