
78分 2023年 アメリカ=Netflix
バリー・ボンズ、マリオン・ジョーンズら世界のトップアスリートに禁止薬物ステロイドを供与したとして、一躍スポーツ界最大の悪人と呼ばれたビクター・コンテを主役に据えたドキュメンタリー。
コンテが創立したバルコ社から薬物の提供を受け、男子100メートルの世界記録9秒79を抹消されたティム・モンゴメリも登場する。
本作に描かれた様々な状況証拠からして、コンテがドーピング違反をそそのかしていたのは間違いないと思われるが、本人は本作のインタビューで「合法的に運動能力を高める薬剤を提供しようとしていただけだ」と自身の疑惑を否定。
自分のオフィスに飾られているボンズやジョーンズの写真を指し示し、「ビクターへ」という宛名付きのサインが入っていることを得々と自慢している。
そんなコンテに対し、モンゴメリは「薬物を渡す対価として俺の報酬の35%を寄越せと迫ってきた」と暴露。
コンテは「そんなことは言っていない」と真っ向から反論しているが、ニヤニヤしながら語っているその表情が盗っ人猛々しくも見える
妙に印象に残るのは、そのコンテもモンゴメリもムキになって自説を主張しているわけではなく、割合淡々とドーピング違反の事実関係について語っているところ。
いったん世間にドーピング違反の当事者と見なされ、散々批判されてから20年近くもたった後では、今さら拳を振り上げる気にもなれないのだろうか。
オススメ度B。
A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑