『江戸川乱歩の美女シリーズ18 化粧台の美女 蜘蛛男』(BS松竹東急)🤨

約109分 初放送:1982年4月3日PM9:02〜 製作:テレビ朝日、松竹
BS松竹東急 再放送:2025年6月15日AM8:00〜

原作の『蜘蛛男』は数ある乱歩ミステリーの中でも傑作の1本で、藤田進が明智小五郎を演じた1958年の映画版もなかなか面白かった。
蜘蛛男と言っても仮面ライダーがやっつけるショッカーの改造人間ではなく、蜘蛛の巣に捕らえるように次々に女性を毒牙にかける誘拐殺人犯の手口を表したもの。

本作ではどんなふうにアレンジしているのだろうと思ったら、なんと本当に毒蜘蛛を飼っている蜘蛛男(中尾彬)が現れるのだからたまげました。
しかも、毒蜘蛛に襲われるのが『恐怖の毒蜘蛛』というホラー映画に主演する女優(蜷川有紀)と、何だか「ダジャレでやっちゃえ」という勢いで仕上げちゃったような1本。

「美女」は蜷川のヘアドレッサー・萩尾みどり、蜷川の姉役で脇を固めているのが早乙女愛と、80年代に活躍したきれいどころが並んでいる。
個人的にうれしいのは、日活ロマンポルノのスターだった志麻いづみが入浴シーンで惜しげもなくヌードを披露している場面。

しかし、サスペンスドラマとして観ると、殺しの場面のたびに使われる小道具の毒蜘蛛がいくら何でもあまりにチャチで、観ていて一向にドキドキもニヤニヤもさせてくれない。
いくら安っぽさが売り物のシリーズとはいえ、今回はいささかやっつけ仕事のように感じられました。

オススメ度C。

A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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