『江戸川乱歩の美女シリーズ16 白い乳房の美女 地獄の道化師』(BS松竹東急)😉

約109分 初放送:1981年10月3日PM9:02〜 製作:テレビ朝日、松竹
BS松竹東急 再放送:2025年6月8日PM3:00〜

本作はいきなり日活ロマンポルノのスター女優・片桐夕子の入浴シーンから始まる。
彼女の右の乳房の大きな黒子(もちろん付け黒子)がクローズアップになり、これが事件の重要なカギになる、といういかにも昭和の〈土曜ワイド劇場〉らしいミエミエの趣向。

「美女」はこの片桐で、ロマンポルノの女優がヒロインを演じた作品は珍しく、ひょっとしたらこれ1本じゃないかな。
その片桐が当時のアイドル岡田奈々を毒牙にかけるという展開は、今なら壇蜜が橋本環奈に襲いかかるようなものか(ちょっと違うか)。

クライマックスでは自ら硫酸で顔を焼き、定番の毒をあおって果てる最期を熱演。
このインパクトは他の作品で一般女優が演じた「美女」と比べても非常に強烈で、もしかしたら片桐のキャリアの中でもベストに近いかもしれない。

一方、こっちが「美女」かな、と思った岡田奈々や白都真理は完全に脇に回っていて、あまり見せ場がないのはもったいない。
バレリーナの彼女たちを指導するバレエ教師・荻島真一がものすごいリーゼントで登場したのには笑ってしまった(時代ですね)。

オススメ度B。

A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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