日曜劇場『キャスター』(TBS,Netflix)🤨

全10話(1話54分、第1話25分、第2話20分、第9話10分拡大)
初放送:2025年4月13日~6月15日(毎週日曜) 
製作:TBSテレビ 配信:U-NEXT、Netflix

TBSが1956年から放送を開始した日本最古のドラマ枠で放送された最新作。
というテレビドラマ史的位置付けより、放送中に助演女優・永野芽郁の〝不倫疑惑〟が発覚して話題になった作品である。

マスコミでは永野のスキャンダルが視聴率低迷の要因になったと騒がれているが、それはあまり関係ないだろう、というのが僕個人の印象。
脚本が面白く、ドラマに中身があれば、週刊文春が報じたスキャンダルはむしろ、これ以上ない宣伝であり、訴求ポイントとなったはずだ。

では、なぜ回を追うごとに視聴率が下がっていったのかというと、要するにだんだんつまらなくなっていったからだと思う。
序盤は報道番組『ニュースゲート』のキャスター阿部寛が内閣官房長官・北大路欣也と裏取引をするダークヒーローとして登場し、総合演出担当・永野をはじめ、スタッフを振り回す暴れっぷりで今後に期待させる。

しかし、それなりに興味深く観られるのは大谷翔平のスポーツ賭博疑惑やSTAP細胞の捏造疑惑をモデルにした第3話あたりまで。
そこまでに張っておいた伏線を回収する中盤に入ると、杜撰でご都合主義的な展開が目につき、クライマックスのたびに阿部が長広舌を振るう繰り返しにうんざりさせられてしまう。

大体、報道番組のスタッフやテレビ局の上層部が、そろいもそろってお人好しの正義漢ばかりという設定がリアリティに乏しい。
それはそれとして、臓器移植をテーマとしたエピソードで、久しぶりに見た若いお母さん役・中村アンの雰囲気が変わっているのが気になりました。

オススメ度C。

A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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