『江戸川乱歩の美女シリーズ9 赤いさそりの美女 妖虫』(BS松竹東急)😉

約109分 初放送:1979年6月9日PM9:02〜 製作:テレビ朝日、松竹
BS松竹東急 再放送:2025年5月18日PM3:00〜

このシリーズは途中まで観たところで、まだ10代の頃、初放送を観ていた記憶が蘇ることが多いのだが、本作はまったくの初見だった。
オープニングで映画『燃える女』の主演女優の公開オーディションが行われ、優勝が決まった女優の頭上に照明ライトが落下する、というツカミで幕が開く。

オーディションの優勝者は三崎奈美、準優勝は野平ゆきと、どちらも日活ロマンポルノの人気女優。
脱ぎっぷりがいいのはもちろん、ドラマ部分の芝居にも熱が入っていて、ひょっとしたら本業のポルノ映画よりも張り切っていたんじゃないかと思わせる。

オーディションに落とされて歯がみする永島暎子も日活ロマンポルノ出身で、のちに一般映画への転身に成功し、高く評価されていた女優。
さらに、メインの美女役が宇都宮雅代なのだから、彼女たちの演技合戦だけでも十分楽しめる。

しかし、殺しに使われる肝心のさそりがいかにもチャチなところはいただけない。
犯人の復讐の動機が、感情が高ぶった時にだけ頬に現れるさそりのような痣にあった、という設定自体はいいが、見せ方がまずかった。

どちらも今なら精巧な小道具とメーキャップでリアリティたっぷりに表現できるでしょうね。
まあ、そういう昭和チックなチープさが本シリーズの魅力でもあるんですが。

オススメ度B。

A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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