『江戸川乱歩の美女シリーズ8 悪魔のような美女 黒蜥蜴』(BS松竹東急)😉

約109分 初放送:1979年4月14日PM9:02〜 製作:テレビ朝日、松竹
BS松竹東急再放送:2025年5月11日PM3:00〜

本シリーズが2時間枠のレギュラー番組となった第1弾。
テレ朝も松竹も随分力が入っていたようで、乱歩の代表作『黒蜥蜴』に小川真由美をキャスティングし、セットや見せ方にも趣向を凝らして、いかにも昭和チックなケバケバしいサスペンスドラマに仕上げている。

最大の見どころは何といっても、天知小五郎と小川黒蜥蜴の対決。
どちらが勝つか、自分は全財産を賭けるという黒蜥蜴は、天知が負けたら探偵を廃業しろと迫る。

ふたりがポーカーをしながら静かなやり取りを交わす場面は、ソフィステケートでありながらもどこか猥雑な匂いも漂っていて、観るものを惹きつけないではおかない。
ただ、小川さんはいかにも大人の女優然としていて貫禄があり過ぎ、もうちょっと僕好みの怪しさや可愛さがあればなあと、初見の10代でも再見の60代でも、似たような印象を受けました。

クライマックスで天知が変装を解き、あっという間にダンディーなスーツ姿に変わる〝瞬間芸〟が定着したのは本作からだったかな。
天知が本シリーズで来ていた衣裳は、天知でなければ着こなせないし、そもそも似合いもしそうにないド派手なデザインばかりだが、すべて自前だったそうだからそれも道理か。

オススメ度A。

A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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