生まれて初めて、母に目薬を差す👁️💉

母親が昔作ってくれたお好み焼き

きのうからまた広島県竹原市の実家に帰省しています。
今回の目的は、かねてから視界不良を訴えていた母親を眼科医に連れて行くこと。

本人は「ウチひとりでも行けるわい」と強がっていたけれど、万が一町中で転倒したりしたら大変。
長年付き添っていた父が亡くなってしまった以上、代打を務められるのはひとり息子の僕しかいない。

などと書くと、親孝行で殊勝な心がけだと感心されるかもしれませんが、実は内心ドキドキものでした。
なにしろ、母親の眼球に注射されるところに立ち合わなきゃいけなかったんだから。

母親はきょうの注射のため、3日前から一日4回手術用の目薬を差し、当日のきょうも数回に渡って看護師さんに麻酔目薬を差されていた。
そして、きょうの午後2時過ぎ、いよいよ手術室へ。

その様子は隣室の窓から見ることができ、治療の模様はデジタルカメラで撮影されていて、モニター画面に母の目がアップで映し出される。
そこに注射針が刺さったとき、うわっ、と思ったら、一瞬で終わってしまった。

ただ、当の母は、「もう7回もやっとるけんね」と落ち着いたものでした。
注射の後は1時間置きに専用の目薬を差す必要があり、これまた僕の役目。

「昔はお父さんに差してもろうとったんよ。
うまかったよお、いつも一滴で決めとった」

あののぉ、息子にそんなプレッシャーをかけんでくれるか。
そう思いながら、生まれて初めて母に目薬を差したら、「痛っ! しみたわ」。

そのときの母の表情は、たぶん、一生忘れないだろうな。
「ごめんね」と言って、母の目元にこぼれた薬の滴をティッシュで拭おうとしたら、「ええよ、自分でできるけえ」。

そんな母の反発心を感じてはホッとするきょうこのごろ。
マザコンブログで失礼しました。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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