『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』(WOWOW)🤗

Knives Out
130分 2019年 アメリカ=ライオンズゲート 日本公開:2020年 ロングライド

これは絶対に面白い! ダマされたと思って観てみろ!
と、これほど自信を持って人に勧められるミステリー映画は久しぶりだった。

数々のベストセラーを放った世界的ミステリー作家にして大富豪ハーラン・スロンビー(クリストファー・プラマー)が、ボストンの大邸宅の書斎で死体となって発見される。
スロンビーが85歳の誕生パーティーを催した翌朝のことで、第一発見者は朝食を運んで行った家政婦のフラン(エディ・パターソン)。

スロンビーはベッドに横たわったまま、喉の傷から大量出血しており、血の付いたナイフが傍らに置かれていた状況からして、警察では自殺と判断。
しかし、エリオット警部補(ラキース・スタンフィールド)、ワグナー巡査(ノア・セガン)の事情聴取に有名私立探偵ブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)が割って入り、他殺の疑いが浮上する。

ブランは大金を積まれて捜査にやってきたが、大金を受け取っただけで、依頼人が誰かは彼自身にもわからない。
スロンビーの長女リンダ(ジェイミー・リー・カーティス)、その夫リチャード・ドライスデール(ドン・ジョンソン)、長男ニールの未亡人ジョニ(トニ・コレット)、その娘メグ(キャサリン・ラングフォード)、次男ウォルト(マイケル・シャノン)、その妻ドナ(リキ・リンドホーム)ら、残された遺族の最大の関心事はスロンビーの残した遺言状と莫大な遺産の行方。

この遺族たちが警戒しているのが、スロンビーの死の直前まで献身的な介護を続けていたエクアドル移民の看護師マルタ・カブレラ(アナ・デ・アルマス)。
そうした中、リンダとリチャードの息子ランサム(クリス・エヴァンス)がスロンビーと口論し、その内容をウォルトとドナの息子ジェイコブ(ジェイデン・マーテル)が盗み聞きしていたことがわかる。

前半でスロンビーが死んだ状況が明らかになり、大変意表を突いているのだが、ここからどうやって興味をつないでいくのだろうと思ったら、登場人物たちが意外な横のつながりを見せてストーリーが二転三転。
真相の説得力、ラストのどんでん返し、オチのオチ、ラストシーンに滲む皮肉な味と余韻まで、ほとんど非の打ちどころがないと言っていい。

オススメ度A。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2021リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑
※再見、及び旧サイトからの再録

29『徳川いれずみ師 責め地獄』(1969年/東映)C
28『残酷・異常・虐待物語 元禄女系図』(1969年/東映)B
27『徳川女系図』(1968年/東映)C
26『狂った野獣』(1976年/東映)A
25『一度死んでみた』(2020年/松竹)B
24『ひとよ』(2019年/日活)C
23『パーフェクト・ワールド』(1993年/米)B
22『泣かないで』(1981年/米)C
21『追憶』(1973年/米)B
20『エベレスト 3D』(2015年/米、英、氷)B※
19『運命を分けたザイル』(2003年/英)A※
18『残された者 北の極地』(2018年/氷)C
17『トンネル 9000メートルの闘い』(2019年/諾)C
16『ザ・ワーズ 盗まれた人生』(2012年/米)A※
15『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』(2019年/仏、比)A
14『ハウス・オブ・カード 野望の階段 シーズン6』(2018年/米)C
13『大時計』(1948年/米)B
12『汚名』(1946年/米)B
11『マザーレス・ブルックリン』(2019年/米)B
10『エジソンズ・ゲーム』(2017年/米)C
9『ジョン・ウィック:パラベラム』(2019年/米)C
8『ジョン・ウィック:チャプター2』(2017年/米)B
7『ジョン・ウィック』(2014年/米)C
6『容疑者、ホアキン・フェニックス』(2010年/米)C
5『宇宙戦争』(2005年/米)B
4『宇宙戦争』(1953年/米)B
3『宇宙戦争』(2019年/英)B
2『AI崩壊』(2020年/ワーナー・ブラザース)B
1『男はつらいよ お帰り 寅さん』(2019年/松竹)C

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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