1999安打までしか見られなかったけど⚾️

坂本の第2打席、通算1999安打をレフト前に運んだ瞬間

早いもので、コロナ禍で様々な規制が敷かれた今シーズンの東京ドーム取材も、A先生はきょうでおしまい。
東京ドームでは明日1試合、巨人はその試合を含む3試合を残しているけれど、僕は人数制限の関係で球場に入れそうもないから。

せっかくだから、あと2安打と迫った坂本勇人の2000安打を現場で見たかったんですが、残念ながらきょうは第2打席のレフト前ヒットだけで1999安打止まり。
巨人選手の2000安打達成は清原和博、小笠原道大、阿部慎之助を見ているので、この顔ぶれに坂本が加わればなかなか威張りの効く取材歴になるところだったんだけどね。

試合は三回、巨人・岡本和真が30号先制3ランをレフトスタンドに運ぶと、これで調子に乗ったのか、〝新若大将〟は五回にもセンターに追加の31号ソロをかっ飛ばした。
この2連発で本塁打王争いは岡本が頭一つ抜けたな、と思っていたら、ヤクルトの村上宗隆も負けじと七回に27号、九回に28号とソロ本塁打を連発。

試合後には岩隈久志が引退セレモニーでマイクの前に立ち、「21年間、素晴らしいチームメートに恵まれ、最高の野球人生を送ることができて、感謝の思いでいっぱいです」と、この投手らしい謙虚な挨拶。
巨人では一度も一軍登板がなく、初めて東京ドームで巨人のユニフォーム姿を披露できたのはきょうが最初で最後になったのは残念でした。

挨拶をする岩隈
オーロラビジョンに映し出された表情

しかし、この引退セレモニーも含めて、今夜はファンにとっていろんなお土産を持って帰ることのできたゲームだったんじゃないかな。
蛇足ながら、久しぶりに参加した岡本のリモート囲み取材も、彼のコメント力がなかなか上がっていることを伺わせて、こちらも面白かった。

それにしても、きょうの東京ドームはかなり密だなあ、と思っていたら、入場者数の上限がいつの間にか50%弱の1万9000人から80%弱の3万4000人に引き上げられていたんですね。
このヤクルト2連戦は今シーズンの最終カードでもあり、8割程度観客を入れたらどうなるか、先週末のハマスタみたいな実証実験が行われていた。

もっとも、きょうは東京都の感染者数が294人と3日連続で200人を超えたことがたたってか、主催者発表の入場者数は2万6649人と上限を7351人下回った。
それでも、「大きな声を出しての声援は控えてください」と場内アナウンスで呼びかけられている中、坂本のヒットや岡本のホームランでは大きな歓声、原監督のリクエスト失敗ではブーイングのような不満の声が上がる。

正直なところ、冷や冷やしたお客さんはひとりやふたりではないはず。
やはり、室内球場の人数制限緩和はもう少し慎重に進めるべきではないでしょうか、と最後に疑問を呈しておきます。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
先頭に戻る