ドラフトのクジ引きはやっぱり大会場で見たい⚾️

例年、新高輪ホテル館内に貼り出される案内

今年は久しぶりにドラフト会議の現場へ行くことができなかった。
コロナ禍のせいで12球団が一堂に会することができず、報道陣に対応するスペースも作れないため、入札と抽選の様子はリモート中継、その後の囲み取材もオンラインで行われているからだ。

注目された早大・早川隆久、近大・佐藤輝明はそれぞれ4球団が1位指名で競合し、早川は楽天、佐藤は阪神が交渉権確定の当たりクジを引き当てた。
例年なら、ここで詰めかけた観客から歓声や嘆息が聞こえてくるのに、今年は別室で待機している球団関係者の喜ぶ様子が映されただけ。

物足りませんねえ、やっぱり。
僕は九段グランドパレスで行われていた1988年からドラフト会議の取材を始めて、現在の形態に変わった2002年まではほぼ毎年〝皆勤〟、8年間のブランクを経て2010年から昨年まで、また毎年現場取材を継続中だった。

会場前に並んだ球団旗は記念写真の撮影スポットでもある

何度か1位指名の最中に会場の中に入り、12球団首脳の表情を目と鼻の先で観察していたこともある。
もちろん、会話の内容までは聞こえないが、抽選の結果を受けて大喜びしたり、ガックリきていたりする監督や球団幹部の様子を間近に見て、試合とはまた違う独特の臨場感を感じていたものだ。

12球団首脳が入場する前の会場、手前の長いテーブルが記者席(2016年)
クジ引きのステージの前でドラフトの開始を待つ観客(2013年)
着々と指名が進められている様子(2015年)

ドラフトは全国から球界やマスコミ関係者が集まってくるので、僕のような年寄りのライターにとっては、旧交を温めるのに格好の場でもありました。
そんな昔話や噂話、情報交換や近況報告に興じる機会が失われたのもまことに残念です。

以下は余談ですが、旧交といえば、ゆうべはハマスタでDeNA−広島戦を取材後、自転車競技に詳しいフリーライターの土肥志穂さんと久しぶりに会食。
中華街〈梅蘭〉で名物の焼きそばをつつきながら、野球談議、自転車談議に花が咲きました。

撮影は土肥さんのスマホです
スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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