入場者数上限19,000人の東京ドーム、本日は16,718人⚾️

グラウンド整備が行われる五回終了時、オーロラビジョンにスタンドの様子が映し出された

今月19日より、プロ野球の試合が行われる球場の入場者数の上限が、一律5,000人から各球場の収容人数の50%にまで引き上げられた。

巨人戦が行われる東京ドームの場合、収容人数は約46,000人(公式ホームページ)、公式戦の最多記録46,855人(2018年5月11日、巨人−中日戦)である。
その50%なら約23,000人まで入れることが可能なはずだが、東京ドームで3密状態を極力避けるため、上限を約41%の19,000人に設定。

それだけお客さんが増えてから、スタンドの雰囲気はどう変わったか。
最も目についたのはやはり、外野スタンドに詰めかけた人の多さである。

ときにいささか過剰な私設応援団の鳴り物の良し悪しは置くとして、拍手も歓声もまばらな球場はやはり寂しい。
その点、外野スタンドには熱心なお客さんが多いから、5,000人までしかお客さんが入れなかったころとは、やはり熱気が違いますね。

しかし、きょうの観衆は16,718人と、上限よりも2000人以上少なかった。

上限が5,000人までだったころは、東京ドームをはじめハマスタや神宮でも平日に4,900人台のお客さんが入っていた。
ところが、週末の巨人戦、ホームの東京ドームという好条件にもかかわらず、上限19,000人で16,000人台しかいかなかったのは意外だった、というよりちょっと驚いた。

昨季までの巨人戦は、約46,000人中44,000人台で満員、42,000人台でイマイチ、41,000人台だとさらなる営業努力が求められる、というのが関係者の受け止め方だった。
いったい、なぜ客足が伸び悩んだのか。

ここから先は推測なのだが、まず、まだまだ新型コロナウイルスの感染を警戒しているファンが少なくないようだ。
前日、阪神に大量感染者が出たばかりで、東京都の感染者数も2日連続で190人台を記録している。

東京ドームにやってくるファンは都内だけでなく、関東近県、さらにもっと遠くの他府県から足を運んでいるお客さんも多い。
そうしたファンが、まだコロナ禍が続いている最中に東京へ行くのはちょっと、と考えただろうことは容易に想像できる。

巨人の優勝がほぼ確実になり、セ・リーグのペナントレースが〝終戦〟を目前に控えていることも大きいでしょうね。
しかもBクラスの中日が相手では、よっぽど両チームの熱心なファンでない限り、お金を払って見に行くのはなあ、と思っても不思議はない。

そうした中、きょうは中日の捕手・木下拓が大活躍。
守っては福谷をしっかりリードし、打っては勝ち越しホームラン、さらに僅か1点のリードで迎えた九回には岡本の代走・増田大の二盗を刺す強肩も見せた。

ヒーローインタビューでは、今朝ホテルのエレベーターに乗ったら、濡れた傘を入れるビニール袋が落ちていたのを発見し、さっそく拾って捨てたというエピソードを披露。
きょうの活躍は「そういうところ(良い行い)を神様が見てくれてたんだと思います」と語り、大声で「神様、ありがとうございます!」。

巨人サイドでは、五回途中で降板となった畠、木下拓に勝ち越し本塁打を打たれた大竹の状態について、宮本チーフ投手コーチが詳しく解説。
「そろそろ疲れがたまる時期だから」ということでした。

コンコースにも少しだけいつもの風景が戻ってきた
スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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