まだ「消化試合」とは言いたくないけれど⚾️

試合中に映し出された「山﨑グローブプレゼント」の当選番号

「今年のセ・リーグは久しぶりに消化試合が復活しそうなんですよ。
CS(クライマックスシリーズ)がありませんからね」

新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕が遅れたころから、テレビ、ラジオの関係者はこう言って戦々恐々としていました。
CSが行われていたこれまでは、3位以内に入れば日本シリーズ出場の可能性が残るから、ファンの興味も中継のテンションも持続できた。

今年で言えば、首位・巨人に阪神やDeNAが10ゲーム差以上突き放されようと、CSで巨人を破れば日本シリーズへコマを進められる。
その下にいる中日、ヤクルト、広島も、ひょっとしたら3位に食い込むかもしれない、という前提の下に中継ができる。

しかし、例えば今夜のDeNA-中日戦などは、個人成績やタイトルの可能性などを脇に置くと、どこに興味を持ち、焦点を絞って報じればいいのか。
これは簡単なようでなかなか難しい問題で、知り合いのベテランアナウンサーは誰も彼も、「昔、消化試合ってどうやって実況してたっけなあ」と、記憶を探って首を捻ることしきり。

一部マスコミ業界的にはそんな雰囲気の中で始まった今夜のDeNA-中日戦は、しかし、消化試合などと言っては失礼なほどの好ゲームだった。
DeNA・井納が6回3失点、中日・柳が5回3分の1で1失点と両先発がしっかりゲームを作り、つまらないミスも出ることなく接戦を展開。

最後は3-2で中日が競り勝って、3勝目を挙げた柳がヒーローインタビューに登場し、「最近はずっと不甲斐ないピッチングが続いていたので全力で思い切り投げました」と勝利の弁。
「毎回毎回、死ぬ気で投げてますけど、よく腕が振れていたと思います」というコメントに充実感が漂っていた。

一方、敗れたDeNA・ラミレス監督は「きょうは柳にいいピッチングをされた。とくにストレートとカットボールがよくて、打線が井納を援護できなかった」と、テレビインタビューで敗戦の弁。
きょう勝った阪神と入れ替わって順位は3位に下がり、首位・巨人とは10ゲーム差がついたことには、「勝つときもあれば負けるときもあるから」と、いつものコメントで締め括っていました。

とはいえ、やっぱり、これ以上巨人が独走すると、ペナントレースの興味が薄れてしまうのも確か。
もっと頑張れ、ベイスターズ!

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』、WEDGE Infinity『赤坂英一の野球丸』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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