ショウアップ無観客ナイター⚾️

東京ドームの天井(※記事の内容とは無関係なイメージ写真です)

何だかんだ言って、やっぱりお客さんが入らないと野球は盛り上がらないよ。
東京ドームのオープン戦なんて、球場じゃなく、でっかい空っぽの倉庫の中でやってるようなもんだ。

…などと内心で愚痴りながら、きょうも巨人−楽天戦の取材に行ってきました。
寂しいことには変わりないけれど、多少ホッコリさせられたのは、この日はこれまでと違い、通常のオープン戦と同様の演出が施されていたこと。

試合前のスタメン発表では、「ジャーン!」という効果音とともに電光掲示板に巨人選手の顔と名前が大写しにされた。
グラウンドには応援MC、ジャビット・ファミリー、チームヴィーナスが登場し、お客さんのいないスタンドに向かって「勝ち取れーーー!!!」と絶叫。

巨人の攻撃では各選手の登場曲、攻守交代の際にはお馴染みのイニング間テーマ曲、ラッキーセブンの七回には楽天と巨人の応援歌が流された。
さらに、チームヴィーナスも公式戦と同様のダンスを披露。

そういう演出が効いたのかどうか、この日は巨人の先発・鍬原が六回途中まで無失点と好投。
走者を残して降板し、交代した田原がタイムリーを打たれて失点・自責点2が付いたけれど、原監督をして先発ローテ入りの「大候補」と言わしめたほど。

その鍬原をリードした大城、ベテランの中島にホームランが出て、きょうは巨人の勝ちかな、と思われた矢先、4番手の高木が打たれて同点。
これで巨人はオープン戦最下位が決定し、原監督も「それがどうした。文句があるか」と苦笑いするしかありませんでした。

一方で、きのうもきょうも、報道陣を大いに沸かせたのが楽天・三木監督の大胆な采配。
きのうは初球スクイズバントで勝ち越し点をもぎ取り、きょうは一打サヨナラのピンチでセンターを極端に前進させ、二塁封殺を狙うシフトを敷いた。

中盤にはオープン戦には珍しいリクエストも行い、お客さんが入っていたらさぞかしスタンドがどよめいたに違いない。
球場の演出もゲームの中身もショーアップされていたこの日のオープン戦、早く開幕日を決めてほしいなあ、と改めて思いました。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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