『ハプニング』(WOWOW)

(The happening/2008年 アメリカ=20世紀フォックス 91分)

WOWOWは監督最新作の劇場公開、その前作のテレビ初放送に合わせて、M・ナイト・シャマランの特集を組むことが多い。
今回も『ミスター・ガラス』(2019年)の初公開、その姉妹編に当たる『スプリット』(2018年)の初放送の記念企画として過去の作品が何本か放送された。

それだけ、まだまだシャマランの人気は高いということなんでしょうね。
さすがに〝いまさら感〟があるのか、出世作の『シックス・センス』(1999年)はラインナップに入っていなかったけど。

この『ハプニング』は、シャマランのフィルモグラフィーの中では失敗作とされている。
本作を観た人ならわかるだろうが、事件の真相が最後まで不明のまま、何のオチもつけられずに終わっているからだ。

ニューヨークのセントラル・パークで集団自殺事件が起こり、この奇怪な現象が急速に東海岸周辺へ広がってゆく。
原因はどうやら、風によって運ばれている植物の病原菌にあるらしい。

主役のマーク・ウォールバーグは妻子を連れて自宅から逃げ出したものの、行く先々で集団自殺が発生し、もはや逃げ場所はないと観念した途端…。
この不完全燃焼なエンディングに対し、ブーイングを鳴らした観客の気持ちはよくわかります。

ただ、ぼくはヒッチコックの『鳥』(1963年)を思い出し、これはこれでいいんじゃないの、と思いました。
説明もオチも何にもナシ! というパターン自体は珍しくも何ともないし。

もっとも、2度観る気にはならないけどね。
オススメ度B。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2019リスト
※A=ぜひ!(^o^) B=よかったら(^^; C=ヒマなら(-_-) D=やめとけ(>_<)

14『麒麟の翼〜劇場版・新参者』(2912年/東宝)C
13『暁の用心棒』(1967年/伊)C
12 『ホテル』(1977年/伊、西独)C
11『ブラックブック』(2006年/蘭)A
10『スペース・ロック』(2018年/塞爾維亜、米)C
9『ブラックパンサー』(2018年/米)A
8『ジャスティス・リーグ』(2017年/米)C
7『ザ・リング2[完全版]』(2005年/米)C
6『祈りの幕が下りる時』(2018年/東宝)A
5『ちはやふる 結び』(2018年/東宝)B
4『真田幸村の謀略』(1979年/東映)C
3『柳生一族の陰謀』(1978年/東映)A
2『集団奉行所破り』(1964年/東映)B
1『大殺陣』(1964年/東映京都)C



スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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